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2009年5月26日、19時18分、栗本薫さん(別名義に中島梓)が、膵臓癌にてお亡くなりになりました。享年56歳でした。

なんと言うべきだろうか。感慨を込めてグインサーガ最終巻「豹頭王の花嫁」の読後感想文を書く前に、その著者の訃報を知り、このエントリを書かねばならないのか。言葉にできない。

訃報に際し、ぱっと思い浮かんだタイトルがグインサーガの作中で作者にもっとも愛されたであろうアルド・ナリスの死を描いた87巻の「ヤーンの時の時」である。昨年より闘病中の執筆活動であったとは聞いていたし、もはやそんなに長くはないかもしれないとは思っていたが、56歳、あまりに早すぎる死である。残念でならない。

栗本さんの小説は僕は実際のところは「グインサーガ」とその枝作品しか読んでいないので、彼女の小説の読者としてはおそらく偏っている。それでも我が家の書棚2段より多くのスペースをグインサーガが占め、中学生の頃、初めて読み始めた長編小説が「グインサーガ」であり、ここ数年最新刊を熟読してはいないが、まだ追いかけられる範囲内で読み続けている小説でもある。たいがいのものより長いつきあいなのである。またおそらく僕の語彙を形作っている作品の一つでもある。僕が、小説を読むこと、本を読むことの習慣と趣味とその喜びを植え付けてくれたのは、おそらく「グインサーガ」であり栗本さんなのであると思っている。

グインサーガの世界を引き継げるような作家は出ないと思われるので、どうやら書きためてあったと思われるあと数巻分(130巻の途中が絶筆らしい)が出版されたところで、おそらく未完の大作となるのであろう。いろんなことにかまけて遅々として進まなかったこともあったし、最近の1冊の密度とその展開は何だろうという疑問もあった。風呂敷を広げて完結できないとは無責任であろうという意見はあるかもしれない。20代に書き始めた小説が30年かけて完結されないのは、20年も前に読み始めた読者には予想つかないというのはあるかもしれない。何とかしてくれと。でも、ある日突然不意に終わるというのも実はありなのかもしれない。現実の世界で自分が死んで、知りたいと思った未来が永遠に知り得ぬこととなってしまうように、作品世界の観察者としての自分もその先を知りうることができないことがありうるものだと、最近思うように、受け入れられるようになった気がしている。そんなわけで、グインの「豹頭王の花嫁」ではない最終巻までは読むつもりである。

グインサーガには出てくる名台詞は僕にはあまり記憶がないのだが、いろいろ考えて1つひねり出してみた。

「ヤーンは導きたまう。ヤーンは与えたまい、また奪いたまう。人間どもには、そのいわれは長いあいだ知ることができぬ。だが知ってしまったときには、それはヤーンのみわざにふれたおどろきと喜びを必ず与えてくれるのだ。」 - グインサーガ 67巻 「風の挽歌」より

グインサーガで印象的な言葉はグインがとあるシーンで言うこの台詞である。今回の訃報が運命神ヤーンのみわざだとしたら何という話であろうか。残念でならない。でもグインサーガとともにあったこの約20年が、僕にとってとても楽しく喜びのある日々だったことは間違いないと思う。栗本さん、今まで本当に楽しい時間をありがとう。そして、さようなら。

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