過去の撮影機材の紹介
過去使用していた撮影機材の紹介と簡単な機材評をまとめておく。基本的にはこのページは追記していくだけの方針で書くこととする。
過去の手持ち機材はおおむねフィルム時代の物、昔使っていたボディがメインであるが、ボディの変遷と共に使用頻度が変わって、見切った物が多い。先を見据えた買い物はなかなかできないが、EOS 5D使用開始以来135フォーマットに完全に回帰したので、現状のボディに合わせた買い物をしていると確信している。まあこれとて幻想なのかもしれないが。過去の機材に思いをはせて、昔の描写を懐かしみつつ・・・ 今の写真をきちんと撮っていきたい。
Body
ボディは購入順。
EOS-3
99年までデジタルカメラ(Olympus C-1400L)をメインに使用して来たが、画質に満足いかなくなったので銀塩写真をはじめることにした。(絞りの効果を生かした写真が撮れないことに限界を感じたので。) もともと写真はまったく知らない世界ではなかったのだが、十数年ぶりにカメラのカタログを眺めると、AFカメラとズームレンズが恐ろしいほど発達しており愕然とした。メーカーの選定をずいぶん考えたが、完全にAFに切り替えてしまったCanonを選択(これ以上ユーザーを見捨てたりはしまい。) CanonのEFレンズには大口径・超大口径のレンズが多いので、嬉しい反面、お財布に非常に厳しい。
やっぱりより本格的にということでEOS-3を購入。手持ちのレンズと重量バランスが悪かったという話もある。なぜニコンではないのかというと、単純に仕事上の付き合いが悪いからという以上の何物でもない。(当時Canonさんも似たようなものだったのだが、残念ながら僕にはCanonさんと仕事上のつきあいがなかったのもある。また他のメーカでもない理由はあるのだが、それはEOSの設計方針を支持しているからである。)
なお購入当時EOS-3が一番先進な機能を持ったカメラで、そのあとEOS-1Vが登場した。1Vのプロトタイプというべきか、EOS-3は未完成なところが多いカメラで、やっぱり極モノといって過言あるまい。45点の多点AFセンサは確かに便利であるが、視線入力はメガネ使用時には相性が悪く、ほとんど使ってていない。ただしコンタクトレンズ使用時は11点選択でほぼパーフェクトなので、コンタクトレンズ導入は時間の問題か。(ここまでが2000年年末までの記述。)
なお上記の文章を書いて3年以上経ってもコンタクトを買ってない。撮影スタイルが変わったせいだけども。(2003年12月15日追記)
デジタルカメラに完全に移行してしまったせいか、2002年~2004年のフィルム消費量は激減しており、あんなに使っていたポジフィルムもこの2年で12本程度しか使わなくなってしまった。よほどの超広角が必要でない限り出番がなかったという感じなのだが、EF 17-35mm F2.8Lを売却した時点でその役割を完全に終えたと言える。愛用していたフィルム(RAP,RVP)もモデルチェンジしてしまった現在再条件出しをする気力は既に無く、EOS-1D MarkIIの発売・導入に伴い購入資金調達のため売却が決定した。(2004年6月11日売却・追記)
EOS D30
EOS-3とFujichrome Velvia/Provia100F/ASTIAをこよなく愛し、デジタルを買う気はなかったが、あまりのフィルム消費の激しさから、デジカメを購入した方が良いという判断に至り、EOS D30を購入。(2001年8月23日)
使った感じは視線入力のないEOS 55位の感じ。スポット測光がないのは痛いが、撮影時にヒストグラムが見られるのでまぁいいかと思っており、画質はとりあえずワイド四切まではほぼ問題ないと判断している。色の出方はコダクロームのようなちと渋い目であるが、シャドウ部の階調の残り方は驚くべきレベルで素晴らしい。反面ハイライト部はすぐに飛んでしまうが、飛ぶぎりぎりのあたりが非常に良くどうしてもハイキーに撮ってしまう自分を発見してしまう。暗いところでのAFはEOS-3に比べるとかなり弱い(EOS-3の限界より2段以上明るくないとダメ)が、長時間露出時のノイズの少なさも素晴らしいので、暗いところでどのように使おうと考えてしまう悩ましいカメラだったりする。
さすがにコンシューマー機と異なり絵の出来具合は多少趣が異なるし、フィルムと撮像素子の差は思った以上に大きく使えるレンズを贅沢なほど選ぶ。(銀塩で良いという評価のレンズもデジタルでは痛々しいほどの結果にもなる。) このカメラの場合の撮影の手法はほとんど銀塩と同じで、僕の場合は露出の確認にヒストグラムを見るが、それ以外ではほとんど撮影中に画像のチェックを行わない。(というかピントチェックもできない液晶画面なので。) 撮影スタイルも操作性銀塩とほとんど変わらないので、デジタルなんだか銀塩なんだかあまり気にせず撮っている。
よくデジタルだと写真じゃないよねという浅はかな意見を吐く人がいるが、ワープロで書いた文章が文学ではないと言う暴言と似たようなところだと思う。そういう意見は壊れるまでD30を使い倒してから言えと言いたい。なお1GのMicrodriveではJPEG Fineで700枚以上撮影可能で、バッテリーの持ちはかなり良いため、この当時この組み合わせで使うとフィルム交換も電池の交換もない理想的なカメラであった。EOS D30にバッテリーパックをつけて、サンニッパでレースを1日中撮りまくってもバッテリは切れないし、MicroDriveがいっぱいになるということがなかった。撮りきるのは非常に大変という贅沢な悩みがあった。(これは安心の材料ですな。)(ここまで2002年年末の記述)
EOS 10Dを使用し始めてから気がついたが、D30は程良く連続撮影ができるカメラであった。10Dを使用していると書き込みにもたつくなぁというか、結構な頻度でバッファが足りないなぁと思う局面があったのだが、D30はストレス無く気持ちよく撮影ができるカメラであったと思う。
購入後1年半が経過して、ついに新機種のEOS 10Dがほしくなったため、買い換えを決意。購入資金を得るために手放してしまった。(2003年3月14日) D30と過ごした1年半はいろいろなことを恐れず試す良い経験になったと言える。(2003年12月31日追記)
EOS 10D
はじめてレンズ交換式のデジタル一眼レフカメラを発売日に購入するという暴挙に出させたカメラである。EOS D60が出た時には撮像素子の高解像化がはかられたが、カメラとしての機能は何も変更がなかったので、魅力を感じず見送ったのである。しかし今回のEOS 10Dは、CanonはローエンドのEOS Digitalの第2世代のボディーを投入してきたと言ってよく、市場の声を元にブラッシュアップしているところが見受けられる。また撮像素子の性能は、β機のサンプル画像(キヤノン公式サイトや各所のWebサイトやデジタルカメラマガジンのEOS 10D完全ガイドのCDROMなど)を見たところでは非常に高レベルであるし、肌色の質感などにも非常に満足がいくものであろうかと思う。そういう状況から即断で決断した訳である。(ここまでが2003年3月14日の記述)
1シーズン使い込んでいろいろと見えてきたが、D30から改良されている点で撮影の中で役立っているのは、低照度におけるAF精度の向上、長時間露光・高感度撮影におけるノイズの少なさ、ミックス光で当てになるようになったAuto White Balanceというところだろうか。逆にD30というかEOSとしてちょっとなぁと思うのは、露出傾向がすっかり変わってしまったところだろうか。(特に部分測光で当てにならなくなった。) ダイナミックレンジとか階調再現性は良くなっていると考えているのと、色彩に関しては割とナチュラルになったという点は評価できると思う。あとこのカメラはD30以上にレンズを選ぶ。D30ではEF 50mm F1.4の残留球面収差に気がつかなかったが、画素数が増えたせいかこのカメラだと如実にわかる。(まぁワイド4つ切り程度ではわからないのであるが…)(以上、2003年12月31日に追記)
非常にコストパフォーマンスがよく、重さも手頃で使いやすい機材だと思うのであるが、使い込んでくるに従いそれなりに不満があることは否定できない。10DというかEOSの中級機全般に言えるのであるが、スポット測光が無いとか内蔵露出計のインジケータが±2段分しかないとか、10Dの場合は特に露出が安定しないとかやたら露出関係の不満が多い。 あと強いて言えばシチュエーションによっては色合いが写真より絵っぽい写真になる気はする。もうちょっと言い換えると、どことなくパステルっぽい色調に仕上がるのは僕が少し露出を飛ばし気味に撮影するスタイルだからかもしれない。まぁデジタル部分の不満はあまり無いのであるが、カメラとしてみたときに露出があてにならないと言うのは痛すぎる気がする。
と言う状況で、EOS-1D MarkIIの発売・導入のため急遽売却が決定した。思えば使い始めて1年ちょっと、儚い付き合いだったかもしれない。撮影枚数は6000枚程度。思ったより少なかったかも。もう少し使えば良かったかな。でもこのカメラで思い出になる写真が何枚か撮れたのだから、その内容の密度は濃かったと思う。(ちなみにEOS-1D MarkIIは導入初日に1000枚程度撮影していたりする。)(以上が2004年6月20日に追記)
Canon EOS-1D MarkII
導入経緯
レース写真とポートレートにはまり始めた時にフィルム代・現像代のあまりのランニングコスト増の前に、銀塩を取るかデジタルを取るかで、ずいぶん悩んだ末に導入したEOS D30の購入が2001年8月24日、愛用してきたD30を前の会社の同僚のK氏に嫁に出して、EOS 10Dに切り替えたのは2003年3月21日だから、D30を約1年半、10Dを約1年3ヶ月使ってきたことになるだろうか。だんだん交換周期が早まってきた感じがするが、転職・引越という新たな節目と多少の仕事のモチベーション維持のためと、撮影のテンポを良くするために購入を決意。単にEOS-1Dsを触って堕ちたらしい(1Dsは買えないけどね)とかたまたま行った目黒の三宝カメラさんに在庫があったとか言う理由だけではないのだ。
EOS D30からのレンズ交換できる一眼レフデジタルカメラは、コストパフォーマンスがよく、使いやすい機材だと思うのであるが、使い込んでくるに従いそれなりに不満があることは否定できない。EOS 10Dの場合は、僕個人として絵的な不満はあまりなかったのであるが、スポット測光が無いとか露出が安定しないとかやけに露出関係の不満が多かった。 あと強いて言えばシチュエーションによっては色合いが写真より絵っぽい写真になる気はする。まぁこういう事柄のうちボディ性能に依存する物(AFとかAEとか)はEOS-1D MarkIIを買えば全て解決する話であるので、ここ数年の自分への褒美とこれからの働くモチベーションを引き上げるために、購入しても良かろうと言うことになった。
触った質感はざらりとしていてしっくり来ること、ファインダーやミラーはEOS-1Vのままなのか大きくて、ファインダー像は見やすくなった。(相変わらずスクリーンはだめだけであるが)
立ち上げ、設定
とりあえず気になる設定項目はEOS-1Vとほぼ同じなんだけども、カスタムファンクションはEOS-3での設定をそのまま引き継ぎ。こういうのは簡単に変えられない。
カスタムファンクション
基本的にEOS-3での設定をコピー。
C.Fn-5 マニュアルモード時のAv,Tv設定
3: マニュアルモードでレンズを外した状態でも絞りとシャッター速度の設定可
C.Fn-9: ブラケッティングの順序
3: マイナス → 標準 → プラス、自動解除しない (後に1のデフォルトに戻した。)
C.Fn-10: AFフレーム・スーパーインポーズの設定
3: AFフレーム表示を強調
C.Fn-13: AFフレーム数の選択
1: 11点選択 測距点連動スポット測光
パーソナルファンクション
パーソナルファンクションはEOSのデフォルト設定で気になっていた部分を微妙に設定。結構便利になるはず。
P.Fn-1: 撮影モードを限定
プログラムと深度優先モードを排除(後にプログラムは復活)
P.Fn-2: 測光モードを限定
部分測光を排除
P.Fn-14: レンズ駆動によるピント検出を行なわない。
サーチAF(ピント検出が出来ない場合に、AFが一往復してピント検出をすること)を禁止マクロや置きピン撮影を前提とした最適化
P.Fn-15: スピードライトのAF補助光を投光禁止
ストロボのAF補助光はいらないだろう…
P.Fn-17: AFフレーム自動選択モードを選択できないようにする。
一瞬操作を迷うのと自動選択を使わないので排除
P.Fn-25: クリアボタンで初期化される、初期状態を好みの状態に設定。どうしようかな。こんな感じ?
- 撮影モード: 絞り優先AE
- 測光モード: スポット測光
- ドライブモード: 1枚撮影
- AFモード: ワンショットAF
- AFフレームの選択: 中央
- 記録画質: Large
- ホワイトバランス: Daylight
- 現像パラメータ: 標準
- カラーマトリックス: ポートレート
初期の設定はこんなところ。(2004年6月11日)
大分使い込んだあと、ブラケッティング順序はデフォルトに戻した。理由は簡単でブラケットを使うことがあまり無くなったため、露出をバラしたときに狙った露出が一番最初に来る方が良いと判断したため。あとストロボ撮影のためにプログラムモードを復活。EOSの絞り優先AE時のスローシンクロに泣かされた代替案として。
まとめ
最終的には、より多くのユーザーに買いやすい135サイズ機のEOS 5Dと完成度の高さ(値段の高さもか)で圧倒的な存在である1Ds系という存在があることと、高速連射機になりつつあるEOS-D中級機(30Dとか40とか)の存在を鑑みて、良くも悪くもこのカメラを特徴付けているのはAPS-Hと言うフォーマットである。購入当時はEF-Sなるマウントもなかったので、EOSデジタルとしては広角表現を得られる数少ないボディであったが、EF-Sの実装後逆に画角的に遅れを取る形となった。また望遠側はAPS-Cの方がもともと画角が狭いため、個人的には中途半端に感じて、APS-Hをどう扱うかと言う点で僕の中で使いこなしに悩みがあった。まあ135とのギャップを大きく感じないと言う利点はあるのだが、135サイズのEOS 5Dという存在も手元にある。
ポートレート・ネイチャー・スナップなどはすべて手持ちレンズの選択肢が広いEOS 5Dを100%持ち出すこととなり、当初の目的の一つであった広角系の撮影もすべてEOS 5Dで行うこととなった。したがってEOS-1D MarkIIは僕の用途ではモーターレースの撮影でしか用いられなくなったとも言える。こういう使い方では高感度・長時間露出時のノイズとは全く無縁であるから、所有し続けようと思っていたのであるが、なかなかモータースポーツの撮影に行かなくなってしまったため(最近だと年に2回程度に・・・)、維持していても仕方ない機会になってしまった。ただ1D系のボディは良く使い方が分かっているので、そのまま手放すのも惜しいと考えていたのだが・・・
EOS-1D2をいつまで持ち続けるかは考えるところだが、しばらく併用してみて使うようだったら残すし、TS-Eと135/2のために売り払うかもしれないかも。これで50mm Macroの代わりにTS-E 45mm F2.8とか買ってみても良いかもしれない。(以上 2006年1月14日)
2008年5月末にEOS-1Ds MarkIIの程度の良い中古品に巡り会い、同じ操作系の同じような世代のカメラに巡り会うことができたため、所有し続ける意味を大きく失ってしまった。そのため売却が決定した。個人的にはいろいろと悪天候の撮影にも安心して使えるカメラでお世話になったが、その座は1DsMarkIIが勤めてくれるであろう・・・(以上2008年6月1日追記)
EOS 5D
2005年末から作例を見つつ、実機を見つつ悩んでいた訳であるが、実機を触ってしまうとだめである。EOS D30の時代からデジタルを使っているのだが、APS-C/APS-Hデジタルを使ってきて思うのは、やはり自分が持っている使い込んできたレンズの画角と写したときの画角のギャップが埋まらないと言うことであった。APS-Hはまだ大分違和感がないとは言え埋まらないところはある。手持ちのレンズ構成は基本的に135サイズに対して最適化されているから、1D MarkIIのAPS-Hで使っても若干の望遠側になってしまい、どうしても超広角側が不足。望遠側があまりいらない。(たとえば135mmとか要らない。300mmで何を撮れば・・・) この辺の不満はEOS 5Dですべて解消することは分かっていたが、値段的になかなか手が出せる物でもない。
実際には次世代機で手を出そうと思っていたのであるが、結局5Dを購入することとなった。ざっくり言うとEOS-1D MarkIIは凄く重たいことと電池の管理に頭を悩ましている。それ以外の使い勝手は絶妙によいのだが、徒歩で重たいレンズ群とともに持ち歩く物ではないのかもという感じがしている。もう250g軽ければ不満がないのだけども。5Dについてはかなりの量の作例を見ることで、もう買うしかないなと言う結論にたどり着いた。今目の前に広がっている物は今しか撮れないし。あと180mm Macroを購入して以来、100mmとの使い分けが難しかった(100mmですら135の180mmのような絵になるので、差があまりでない)のであるが、このあたりも解決しておきたかったというのはある。
ファインダーは広い・明るい(スクリーンの拡散性とは別で、絶対的な光量ね)・ピントが確認しやすい・やっぱ軽いということで、なかなかご機嫌。強いて言えばファインダーは若干黄色いか。液晶については、ファームをアップデートして良くなったと思うが、情報を見るだけと言う使い方になっている。1D2の時もファインダーが広くなって嬉しかったのだが、昔使っていたEOS-3並に広くなったので、本当に使いやすくなったと言える。あとスポット測光が装備になっているところとファインダースクリーンが交換可能であることも見逃せない。中級機にありがちな測光メータが±2EVって言うところが、やっぱりキヤノンのだめだめだなと思うところだが、それ以外は評価したいところ。
EOS 5Dを使ってみて85mmとか50mmとか35mmとか常用していたレンズの画角や被写界深度ってこんなんだったなと思い出した。これでようやく僕の元で失われていた画角である17mmとポートレートに使えなくなっていた300mmが戻ってきた。そういえば昔サンニッパでポートレートを撮っていたなあと。あと24mmも新たな活躍の場が生まれることだし、100mmと180mmマクロもようやく使い分けできそう。(1D2でも100mmマクロと180mmマクロだとどちらも望遠効果が強すぎて使い分けてなかった。)
結局そのあと発表されたEF 24mm F1.4LIIの購入資金調達のため売却となった。(2008年10月8日追記)
Canon EOS-1Ds MarkII
導入経緯
発売以来4年間EOS-1D MarkIIを使ってきたが、EOS 5D導入以来EOS-1D MarkIIはすっかり出番をなくしてしまった。常時1.3倍のテレコンがついているという発想で主にモータースポーツで用いてきたが、なかなか鈴鹿まで行くこともなくなっていたので、最近10ヶ月ほどテスト撮影を除いてほとんど眠った状態となっていた。先日キタムラに行くと中古棚に程度の良さそうなEOS-1Ds MarkIIが置いてあったので、価格を聞いてみたところ流通中古品の価格よりちょっと高かったのもあるが、EOS-1D MarkIIを売りに出して、導入することとなった。
デジタルカメラを中古導入するのは初めてではあるが、試写させていただいた画像によると総ショット数は17500程度と多くはなく、前の所有者が喫煙者と言うことでタバコのにおいが若干する(だいたい外装をレンズクリーナーで拭いて綺麗にはなった。ミラーボックスだけ若干においが残っている。)程度。あと撮像素子上にゴミが結構載っていたので、1回撮影(これは特にゴミが気になる撮影ではない)を行い、センサクリーニングに出した。
立ち上げ、設定
とりあえず気になる設定項目はEOS-1Vとほぼ同じなんだけども、カスタムファンクションはEOS-3/EOS-1D MarkIIでの設定をそのまま引き継ぎ。こういうのは簡単に変えられない。
いったんファインダースクリーンはミノルタα-9のMLスクリーンを入れることにする。ただしこの方眼スクリーンはピントは見やすくなる物の、方眼の水平が正しく出ない(位置出しする辺を削っているため)。この機種では正式にサポートされていないが、EOS 5Dでも使用しているEc-Sスクリーンに入れ替える予定である。(個人的にはM型スクリーンとEc-S/Ee-Sでのピントの見え具合の差はあまりないように考えている。) サポートはなくとも若干の露出ずれになって現れる程度と思われるので、気にせず使うこととする。(どうせM型でもそう使ってきたのだから。そもそもキヤノンの評価測光自体あまり当てにしてないし。)
カスタムファンクション
基本的にEOS-1D MarkIIでの設定をコピー。
C.Fn-5 マニュアルモード時のAv,Tv設定
3: マニュアルモードでレンズを外した状態でも絞りとシャッター速度の設定可
C.Fn-10: AFフレーム・スーパーインポーズの設定
3: AFフレーム表示を強調
C.Fn-13: AFフレーム数の選択
1: 11点選択 測距点連動スポット測光
パーソナルファンクション
パーソナルファンクションはEOSのデフォルト設定で気になっていた部分を微妙に設定。結構便利になるはず。
P.Fn-1: 撮影モードを限定
深度優先モードがなくなったので、ここの設定はデフォルトの設定のままとする。プログラムモードを残したのは、室内撮影におけるストロボの使用という場合があるため。(EOSの絞り優先AE時のスローシンクロに泣かされた代替案として。)
P.Fn-2: 測光モードを限定
部分測光を排除
P.Fn-14: レンズ駆動によるピント検出を行なわない。
サーチAF(ピント検出が出来ない場合に、AFが一往復してピント検出をすること)を禁止マクロや置きピン撮影を前提とした最適化
P.Fn-15: スピードライトのAF補助光を投光禁止
ストロボのAF補助光はいらないだろう…
P.Fn-17: AFフレーム自動選択モードを選択できないようにする。
一瞬操作を迷うのと自動選択を使わないので排除
P.Fn-25: クリアボタンで初期化される、初期状態を好みの状態に設定。どうしようかな。こんな感じ?
- 撮影モード: 絞り優先AE
- 測光モード: スポット測光
- ドライブモード: 1枚撮影
- AFモード: ワンショットAF
- AFフレームの選択: 中央
- 記録画質: Raw+Large
- ホワイトバランス: Daylight
- 現像パラメータ: 標準
- カラーマトリックス: ポートレート
初期の設定はこんなところ。(2008年5月31日)
初の中古デジタルカメラであったが、画質や機能性は高レベルで満足のいく機体であったが、気になったところは前の所有者が喫煙者だったのでかなり掃除をしたものの最後まで煙草臭が抜けなかったこと、私が入手したときにおけるショット数は少なかったものの、結構な個数のホットピクセルがあって1秒以上の長時間露光を行う場合にかなり目立ったことがあげられる。(一応星野撮影をするので気にはなる。)
「現在の所有機材」のEOS 5D MarkIIの項目に書いたが、撮影時の移動手段が来るまではなくなって公共交通機関のみになったことにより、最近は機材の重量負担が厳しくなってきた。レンズ1本文重たい機材を持ち歩くのは得策ではなくなったので、EOS 5D MarkIIを入手する際に泣く泣く下取りで手放した。
EOS 5D MarkII
EOS-1D/1Ds系を使い続けてきて思うのは、異様に重いと言う点である。ここ数年はフォーマットサイズの件もあるけれど、ヘビーウェイトなボディとライトウェイトなボディとの間を揺れ動いてきた。実際にEOS-1D MarkII→EOS 5D→EOS-1Ds MarkII→EOS 5D MarkIIと毎度買い換えるときに前の機種の導入動機のまるっきり反対の論理で購入をしていることになる。2008年末に転勤して車を手放すことになると、どうしても日々の移動が徒歩+電車となってしまうためにライトウェイトな方向に大きく傾くこととなった。EOS 5D系をまた買うことになるとは思わなかったが、ボディの重量差でレンズ1本分違うとさすがに考えざる得ない。もともと縦位置グリップを使わないので、この重量差は歩いて持ち運ぶとなると結構貴重なのである。理想は1D系ボディのバッテリを見直して縦位置グリップはEOS-1Vのように取り外せるようにして欲しいのだけど、なかなかそういうボディは出てこない。
最近は都市風景も撮るようになったことと、高性能な新TS-Eレンズの性能を生かすためには、思いの外ピント合わせにシビアになったこともあり、ライブビューが大きな頼りとなる。ライブビューに関しては星空写真でのピント合わせでも非常に重宝しており、今までは1等星もしくは遠方の街灯でAFしたのちに実写で追い込んでいたが、その手間が一気に解決した。コントラストAFに関してはまだがんばってもらわないと思う所はあるが、便利に使えるところは便利に使っていきたい物である。
EOS 5Dで不満が大きかった背面液晶は、さすがに不満が多かったのかかなり改善したと思う。明るい所でもそれなりに見えるようになったのは大きいし、暗い所でも見やすい明るさになるのは使いやすい。色に関してはようやくまともになったかというところ。ファインダースクリーンはEOS 5D使用時と同じく明るいレンズに特化したEg-Sを最初からいれてある。MarkIIでも測光メータが±2EV、補正範囲も同じ所をぼちぼち改善して欲しいのだが・・・ それ以外はおおむね良い。
動画に関してはまだ使いこなしがわからないのであまり使っていない。ハイスピードなCFカードに乗り換えたら検討をするが、動画で写したい物がスチルより無いんですよね。あとRawファイルが非常に大きいところも気になるが、現在の家のPC環境ではQuad-Coreでがんがん処理ということで現像処理が大変すぎると言うことは今のところ感じていない。1回の撮影で100枚くらいしか撮らないので、恐ろしいことにはなっていない。ただし保存するHDDお容量には確実に効くので、そんなに遠くない未来に頭を抱えることになりそうだ。
EF Lens
以下のレンズは過去に愛用していたレンズ。(レンズを購入するために売却してしまいました。) 基本的に保守の目処がたたなくなったレンズは気に入っているレンズでも長期的には手放す方針としている。(ある日突然ただのガラス玉と言うべきかオブジェにしか使えない物になってしまうのはAFレンズの宿命である。)
EF 24mm f/1.4L USM
EF 50mm f/1.2L USM
キヤノンの50mmといえば、50mm F1.0という強烈な個性を持ったレンズがあった。その後を受けて出てきたレンズのようだ。いろいろとキヤノンが現代に問うレンズかもしれない。このレンズの購入日はレンズの発売日だったので、2007年1月26日。
このレンズにおける一般的な用法は大きいところではポートレートになると思われるが、ウェストアップやバストアップなどでは特に大きな問題があるとは僕は感じていない。線が細く、ボケがきれいなレンズだと思う。(特にF2からF4あたり)
各所で議論になったのは、近接撮影時に顕著にみられるが、絞りを絞ると焦点面が後方にずれること。AFは基本的には絞り開放でAFを行うので、絞りによって焦点位置が変わるというのは、AF全盛時代においては議論があろうということである。これは球面収差補正が不足気味で起こるものと思われるが、ボケをきれいにするために意図的に球面収差が残されているものと考えられる。まあ高いレンズなので文句も言いたくなるであろう。ただしマクロレンズを使うような近接撮影の時くらいの問題なので、これ1本ですべて済まそうというような万能レンズではない。ただ問題が指摘されている近接撮影でのボケボケ感がこれまた僕は好きなので、可能な限りピントコントロールを行って、50mmはこのレンズをメインに、近接撮影時にちゃんと写る50mm Macroを併用している。
EF 85mm f/1.2L USM
このレンズを導入する前は、上記のキヤノンのF2.8ズームトリオとEF 50mm f/1.4 USMで撮影をしていたのだが、50mmで単焦点の描写に目覚めて、次に買ったレンズがこのレンズである。当時ポートレートを撮影し始めた頃だったため、無性に85mmという画角のレンズが欲しかったというのはあるかもしれない。このレンズの購入からしばらくずぶずぶとレンズ沼に墜ちていくのである。購入は2001年12月12月26日である。
さすが開放F1.2だけあって、ピントは恐ろしいほど薄く、牛乳瓶の底のような分厚いレンズの前玉全体が動かすためかUSMレンズの中では異様にAF駆動が遅いので、絞り開放でバシャバシャ撮るのは結構難しい。実際絞り開放におけるポートレート撮影では連写とは言わないまでも、数枚撮影してピントがよさそうなものをセレクトすると言う使い方である。F1.2で使用したときの背景の直感的ではないボケと、大きな周辺減光はこのレンズを特徴付ける物で、この描写を好んで使用している。
絞り込んでF5.6位からは、鮮鋭度が高いと言うべきか、開放域の描写とは異なった描写に変貌する。このレンズを絞り開放域で使用する場合はおそらく多く、F5.6以上に絞って使用する人は多くはないと思うが、絞り込んだときの描写も捨てがたいので、使い慣れてきたらいろいろ絞り込んで使い込んでいきたいところである。
85mmになると開放F値がF1.4でもF1.8でもピントが薄いには違いないので、通常の撮影では深度を若干稼ぐために絞ることとなるが、背景に点光源が入るシチュエーションだとF1.4~F2.0まではミラーボックスによるケラレが発生。さらに口径食がほぼ解決するF2.0からF4.0のもっとも使いそうな絞り域では絞り羽根の8角形ボケがくっきり出る。従ってシチュエーションによってはF1.6以下かF4以上で使わないとならないみたい。従ってこのレンズは開放で使うことが多いレンズと思う。(まあF2で使うことが僕は多い。) 背景に点光源がこない場合は特に気にはならないが、やはりこのような問題はあるせいかボケはちょっとうるさく感じるときがある。背景の整理はしておきたいところである。なお絞り形状に関してはII型で円形絞り採用となり、おおむね解決したようだ。逆光耐性に関してはほぼ無いということで盛大なフレアが発生する。ただし研削非球面のせいかリング上の特徴あるゴーストが発生すること有り結婚式写真などで場合によっては効果的な使い方が出来る場合があって、特殊効果には事欠かない。(おそらくこういう変なところは欠点なのだろうが、このレンズの特色であろう。)
まとめると何個かの不満な点はあり、後継レンズで解決されている問題点(絞り形状とかAF速度とか)はあるものの、このレンズの持つそれぞれの絞りでの描写、ヌケの良さは他にかえがたいレンズである。エコガラスになった後継レンズとの画質比較評価は行っていないが、いろいろな作例を見た感想では、このレンズは新レンズと比べても同等以上かなと思うところは多く、まだ現役のレンズであると思う。このレンズを使い始めて8年になるが、その間に銀塩からデジタルへの移行、デジタルにおけるフォーマットサイズの変遷(僕はAPS-C、APS-H、135という流れで使ってきた)に翻弄され、使い方もいろいろと変わった。135フォーマットの画角に戻ってきた最近はフィルムだけで使っていた頃よりも幅のある使い回しができるようになったのではないかと個人的には考えている。レンズの代替わり直前にOHも行うことができたため、壊れて動かなくなる日が来るまで、使い倒していこうと思うっていたが、やはりもうすぐ修理できなくなると言う現実は非常に大きく、結局買い換えることとなり手放すこととなった。ピントコントロールの多くをこのレンズで学んだと言っても過言ではない。
EF 100mm f/2.8 Macro USM
100mmのマクロレンズで接写しまくるぞうと思い立ち、物色していたころに発売が決まったレンズ。発売日当日に買いに行った。USM化した上、インナーフォーカスになったおかげで鏡筒が伸び縮みしないため非常に快適。肝心の描写であるが解像感は良く派手さはないもののあまり文句が出ない。強いていえば絞り羽根の形状だろうか、このレンズは開放で近接撮影の時にも絞りが入るのでどうしても多角形ボケになる傾向はある。絞ったときには当然多角形ボケは出るので、ずっとタムロンの90mmマクロを指をくわえて眺めていたところである。
マクロレンズとしてではなく、普通の100mmのレンズとしても十分に使いやすく、絵も好ましい。100mmから銀塩写真に入った妙な経験を持つ僕にとっては、このレンズが標準レンズであったりすることから、私など何でもこのレンズで撮影している。花の撮影のときは大概の場合これ1本だけで十分。このレンズでほどよいピントコントロールができるのはこのレンズを使い込んでいるせいだが、久しぶりに使ってもMFで使ってもスムーズなものである。
ちょっとしたノウハウであるが、このレンズの三脚座は別売りであるが、別売り三脚座は三脚座本体とスペーサーがセットとなっている。EF 180mm F3.5L MacroもしくはMP-E 65mm 1-5x Macrophotoを所有している人は修理部品でスペーサーを買えば三脚座は共用できる。(新100mmマクロは三脚座の仕様が変わったので共用できない。荷物の重量が増えるのは残念である。)
EF 135mm f/2L II USM
EF 300mm f/2.8L USM
写真を始めて1年くらいしか経たないのに、中古の良い出物に出会い衝動的に入手。これを買うまではどのようにしてISサンニッパを買おうかと苦慮していたが、このレンズを購入したことによりISレンズは僕の元から遠ざかっていった。
肝心の写りは、数々の雑誌で評価され、いたるところで作例が見れるので、私ごときが評論するまでも無いし論評もできないそういうレンズ。色のりもよく、それでいて白いものを撮せばかっちりきれいな白に写る。(こういうレベルで映るレンズはほとんどないというのが実情だろう。) 解像度の高さは驚くべき物でかなり遠くにいる人の髪の毛の1本まで解像する。僕はこのレンズはモータースポーツの撮影用に買ったのだが、ひょっとしたら他にもいっぱい使い道があるのかもしれない。
EF 17-35mm f/2.8L USM
キヤノンの大口径ズームレンズの一翼を担っていた超広角ズーム。L玉のズームレンズの中では最も軽く、最も使いやすい大きさである。便利なレンズなだけに稼働率が凄く高かった。銀塩ではド派手な発色でハイコントラストという素晴らしいレンズで、17mm領域の絵が欲しい場合にはこのレンズしかない。歪曲は若干目立つが、超広角なのでこんなもんだと思う。また派手な発色をするVelviaを是非組み合わせて麻薬的な楽しみがあるレンズである。
D30での使用感は残念ながらあまり良くなく、紅葉の風景などの解像感が必要な絵を撮ると明快で、細部でにじんだような解像感のない写真になる。これは絞り込んでも解決しない。おそらくEF 16-35mm f/2.8L USMに置き換えられちゃったのはそのせいだと思われる。(おそらく前玉と撮像素子との多重干渉だと思われる。フィルムと撮像素子とでは若干光学条件が異なるため起こる現象かと思われる。) 逆にポートレートのように背景の解像感が必ずしも必要ないというシーンでは、非常に使い勝手がよかった。それゆえに撮影対象を十分に見切って使えばよいと言うことになる。
それにしても大口径であるために広角レンズでも、十分被写体近づけば背景はそれなりにボケる。大きなボケではないが背景が分かる自然なボケ味を持っているのが嬉しい。画面内に太陽を入れると防ぎようのないゴーストやフレアが出るが、これはズームであるが故の宿命か。あと最短が42cmというのがちょっと難点。花の写真を撮る時にはやはり長い最短撮影距離というのは最大のネックであるので、やっぱり資金ができたら買い換えが必要なレンズかもしれない。なおD30で使うと悲しいことにただの標準ズームレンズになってしまうが、常用レンズとして稼働率は非常に高い。使い込んでいることもあって文句もいっぱいあるが、実は嫌いではなくかえって好きなレンズである。なおこのレンズはEF 35mm F1.4Lの購入資金を得るために手放してしまった。機会があればEF 16-35mm F2.8Lを購入してみたいところである。(この記事は2003年12月1日までのもの)
EF 17-40mm f/4L USM
EF 28-70mm f/2.8L USM
EFの大口径ズームレンズの中核を担っていた標準ズーム。重くてでかいが、ディストーションが小さく、解像度・色のりとも絶品のレンズ。それゆえうちでは最も稼働率が高かったが、残念ながら50mmと17-35mmを購入したことにより出番を失った。
さすが高級ズームレンズということあって、他の標準ズームレンズとは描写に雲泥の差がある。また実用面ではフードの有効長がズーミングにより変化するのは非常に賢い設計だとおもう。あえて不満を言うならば、逆光に弱いことと立体感にかけるという点。前者はまぁズームレンズの宿命でしょう。立体感については、ピントのあっているところが妙に平面的に浮き上がって見えるという点で、アウトフォーカスになるに従い徐々にボケていくのではなく、いきなりボケる。言い換えると球体を写すとただの円盤に写る。ここが気に入らなくなったのもあって稼働率は極限まで下がってしまった。裏を返せば、非常に性能が良いゆえの贅沢な悩みかもしれない。
なおこのレンズは85mm購入資金のため、手放してしまった。現在はkinoさんが愛用している。スポーツ写真をメインにEOS-1Dで撮影されている方だから、僕とは違ってかなり使い込んでいるのではないかと思う。2002年中盤に新レンズEF 24-70mm f/2.8L USMが発売され非常に評価が高いのであるが、いまのところ僕の購入リストにはないレンズである。(EOS-1Dsでも買えば使い出を見いだして買うかもしれないが…) (大部分が2001年年末の記述)
EF 70-200mm f/2.8L USM
大口径ズームレンズの一翼を担っている望遠ズーム。重くてでかいが白レンズという所有欲を満たしてくれる外見を持つレンズだ。肝心の写りであるが、私ごときが評論する領域を遥かに越えている。解像度は高く、シャープでハイコントラストな絵が楽しめる。まぁEOSユーザーならいつか必ず行き着くレンズであると思う。
最短撮影距離も1.5mと実用的で、インナーフォーカスのためズーミングしても全長が変わらない。AFも高速で非常に快適・使いやすいレンズだ。欠点は重さ(約1.3kg)であるが、もともとの明るさのため、手持ちで気合を入れて撮影すればほとんど手ぶれしない。IS化されたレンズが2001年9月に出たが僕は買い換えの必要性を全く感じない。総じて言えば、非常に高価なレンズではあるが、価格に似合うパフォーマンスを示し、期待を常に裏切らないレンズといえる。一時、後述するサンニッパを購入したため非常に稼働率が下がっていたが、ポートレート撮影を開始したことにより、いきなり稼働率が向上。このレンズが紡ぎだす絵は女の子たちも思わず喜んでしまう絶妙なものだ。
ただ写りはすばらしいレンズであったが、APS-Cデジタルに移行して以来微妙に長いせいか、あまり出番が無くなってしまった。(このレンズのおいしいところは135mm~200mmあたりなのだが、APS-Cで使うには画角が狭い。) このレンズの代わりは100mm F2か135mm F2を買えばよいと言う結論を得て、EF 35mm F1.4Lを購入するための資金を得るために手放してしまった。ずっと未来に200mmが欲しくなったときにこのレンズのIS化された新レンズを購入することがあるかもしれない。(この記事は2003年12月1日までのもの)
その未来はEOS 5Dを得てやってきたのであるが、このレンズの後継ISレンズではなく、後述のF4ズームであった。(2008年4月14日追記)