最近思うこと
最初の会社でお仕事をしていた頃から・・・自分のお仕事的にはBorn & Wolfの「光学の原理」日本語版で言うところの2巻の後半から3巻の前半までをさらっと読めるようになったら、いろんな意味で一区切りだなと思っていた。長らくいろんなことにかまけていて長らく光学の本を放置しておったわけですが、最近少し時間を取って読み始めてみたら・・・思ったよりさらっと読めるような気がしてきた。どうもここ数年場の量子論とか多様体とか別なことをやっていたら、少し物の見え方が変わったのかもしれない。
光学は私の感覚では、歴史が長い分、なにかと書き方に癖のある歪んだ世界だなあと思う物の、よく考えるまでもなく古典物理な世界ですし、計算も古典的な解析学の範疇で片付く。ただ教科書を超えてなんか新しいことをやりたいというほど魂に訴えてくる分野ではないので・・・ (この微妙に感じるギャップは学生時代は磁性をやっていたせいもあるかもしれない。)
どうやら・・・やっぱ一区切りかなと思うところ。そろそろ私もこの分野に関してはそろそろ引退なんでしょうかねえ・・・ただこんなことを言っていても真面目に読む気はおそらくないし、あまり人生の残り時間の無駄遣いをしてもなんなので、光学はこの辺で良いことにしたいなあ。
あ、ちなみにBorn & Wolfの「光学の原理」日本語版で言うと3巻の後半(要はMie散乱のあたり)はさらっとは言わないが、前職でちゃんと計算して追いかけて読んでいて、こっちは偏微分方程式の計算問題としてはまあ面白いネタかなと。計算途中で詰まる向きはOplusEで連載されていた本宮佳典さんの「波動光学の風景」のMie散乱編その1とMie散乱編その2のPDFを読めば良さそうに思う。まあ放置していたところが読めればこの本も1周なんだけどね。
例えば場の理論なり量子論的な統計力学なりの自分の本来の興味をかき立てられて、ガンガン読み進めなきゃと言う物とは違うところで、光学に関しては積極的に本読んでいこうとはなかなか思えない。ちなみに僕は光学はカメラレンズや望遠鏡の光学系を除いて、本当に興味が無くて非線形光学とかホログラフィーとか本来光学の面白そうなネタには全く興味ない。
あと回折のベクトル理論な方にディープに行くって言うのも数値計算の修羅の世界がまってる感を感じるので、誰かがやった論文読んでもねえと思うので、そういう意味では一区切りだよなとは思う。
あとずいぶん前から積ん読になっている山本義隆さんの「幾何光学の正準理論」は時間を取って読もうと思っている。私は光学はあまり好きな学問じゃないのですが、この本はその中では自分的には読もうかなと思う気分が高まる1冊である。
あと蛇足ながら、理論物理学教程の「場の古典論」の7章がちゃんと読めれば、一般には事足りそうな気がしている・・・(こっちも少しずつ読めるところは増えているようだ。)
最近なかなか勉強する時間が取れていないのだけど、ふと考えるとそんなことを思ったりしているのである。まあメモっぽいお話と言うことで。