2001年12月23日 日曜日

Der Zeit Ihre Kunst, Der Kunst Ihre Freiheit.

今日は、仙台の宮城県美術館に絵の鑑賞に出かけた。目的は特別展の「ウィーンの春・クリムトからシーレまで」を見るためである。ウィーン分離派といえば、世紀末芸術と呼ばれるグループに分類されるのだろうか、クリムトはずいぶん前から知っている画家ではあるが、分離派全体というとらえ方で言えば、同じくウィーンで世紀末を生きた音楽家であるグスタフ・マーラーを通じてであろうと思う。
今回の展覧会で思ったのは、分離派が目指した展覧会のあり方であろうと思う。作品の展示の方法、カタログ・ポスターの完成度の高さおよび展覧会全体に統一感があり、こういったこだわった展覧会は今日なかなかできないことだと思うし、分離派が絵画・彫刻・建築などのアカデミックな芸術だけでなく、デザイン・工芸品・ファッションなどの実用美術を取り込んでいたことで、幅広く芸術の物の見方の自由を認めていて当時としてはなかなか革新的なグループだったのだと思う。今回の展覧会は、予想以上になかなか得る物が多かった。
この項目の表題は、ウィーン分離派が掲げていたモットーで「時代にはその芸術を、芸術にはその自由を」というもの。久しぶりにドイツ語の文章を書いてみた。
当初クリムトの絵を見に行ったのだが、「パラス・アテネ」のような象徴的な絵もなかなかよいが、やはりどちらかというとクリムトが追い求めていた官能的な絵画の方が好きではある。しかし「第1回分離派展」のポスターようなポスターとして超一級の作品もあるわけで、クリムトという作家の見方がまた一段深まった気がする。