2002年03月03日 日曜日

サイボーグ009

アニメの新シリーズの放送がアニマックスで始まったので、見てみることとした。原作は悪の組織・ブラックゴーストとの最終決着が、石ノ森先生の死去により未完に終わってしまったが、日本の漫画の名作の一つであろうと思われる。今回のアニメ化は未完であった「神々との戦い編」(「天の神々編」だっけか…)のスケッチからの補作を行うという話だったので、未完作品の補作という問題の賛否はあると思われるが、一応完結する話としてみることができるわけで、楽しみにできそうである。
未完作品の補作という問題は、ずいぶん昔からいろいろと議論されている話で、音楽で言えば、モーツアルトの「レクイエム」、マーラーの「交響曲第10番」みたいにでかい話から、今回のアニメ化までいろいろと考えるところはある。原作者の想いや表現したかったことは原作者にしか表現できない物で、作品を補完して完成されることはあり得ない。しかし一応の決着が付くと言うことでは安心してみることができる物になるであろうと言うこともあって、僕自身はよっぽどひどくない限り、補作に関しては反対という訳ではない。得られる一次資料から可能な限りの復元を行えれば、それはそれで大きな仕事であろうと思われるので。
しかし、今回の最大の失敗は音楽だと思う。原作に関しては日本でも誇ることのできる名作の一つであると思うが、音楽に小室哲哉とglobeを起用ってなんなの? 名作に安っぽい音楽をつけるのは止めていただきたい。原作自身はもう約40年も読み継がれてきたのに、つけた音楽が一過性の5年も経てば忘れ去られるような大量生産の音楽だなんて。良く恥ずかしくない物だ。もっとも小室哲哉氏は自分の音楽に自信を持っていて、20年後に見ても恥ずかしいとは思わないんだろうけど。ついでに前回のアニメ化の時の主題歌を引用してみる。石ノ森先生自身が作詞されたこの詩から、009の世界観がにじみ出ていないだろうか? 「愛を認めない神なんて、そんな神があってたまるか!」と言うところが、いかにも凄い。今読むとさすがに内容が凄すぎて恥ずかしくもあるが、この歌と詩がかっこいいんだよねぇ。僕はとても好きな歌です。

『誰がために』歌: 成田 賢・こおろぎ`73作詞: 石ノ森 章太郎作曲: 平尾 昌晃編曲: すぎやまこういち吹き荒ぶ風がよく似合う 九人の戦鬼と人の言うだが我々は愛の為 戦い忘れた人の為涙で渡る血の大河 夢見て走る死の荒野サイボーグ戦士 誰がために戦うサイボーグ戦士 誰がために戦う弔いの鐘がよく似合う 地獄の使者と人の言うだが我々は愛の為 戦い忘れた人の為闇追い払う刻の鐘 明日の夜明けを告げる鐘サイボーグ戦士 誰がために戦うサイボーグ戦士 誰がために戦う愛を認めない神なんて、 そんな神があってたまるか!僕達はちっぽけな人間だだが僕は・・・だが僕はお前を神なんかとは認めない!!だが我々は愛の為 戦い忘れた人の為涙で渡る血の大河 夢見て走る死の荒野 サイボーグ戦士 誰がために戦う サイボーグ戦士 誰がために戦う