2002年03月06日 水曜日
The ATLAS of Middle-Earth
またまたMiddle-Earthネタ。同僚のN氏より、The ATRAS of Middle-Earthの原書を借りることとなった。(邦訳があるはずだが、僕はまだ見いだしていない。) 最近『指輪物語』を読もうと読み進めているが、やっぱりいつ読んでも新しい発見がある『シルマリルの物語』を読むことが多い。『シルマリルの物語』は『指輪物語』より数段読み辛く、僕が『シルマリルの物語』を読む場合は、以下の文献を揃えて読んでいる。
『シルマリルの物語(下)』
『シルマリルの物語』の下巻は、第2紀に栄えたNumenorの興亡を描いたAkallabethと「力の指輪と第3紀のこと」というMiddle-Earthの歴史文書としても価値がある本であるが、さらに興味深いのはQuenya(上古のエルフ語)とSindarin(灰色エルフ語)の固有名詞の接頭辞・語幹・接尾辞の解説、案引という膨大な資料である。
『指輪物語 第7巻 追補編』
旧版文庫本の第6巻『王の帰還』の付録に中途半端に収録されていた資料の完全版。高校生の時に原書と格闘しそうになったが、結局全訳された。まだ実は購入していない。文庫本にはサイド・ストーリ(AragornとArwenの出会いの話など)までしか収録されていなかった。Sindarinの文字の解説、発音、翻訳の指針などかなり興味深い内容である。
『トールキン 指輪物語辞典』
比較的まとまっている辞書。ただし多少の解釈が…と言うところはある。翻訳されていないUnfinished TalesとBook of Lost TalesとLays of Beleriandなどからの知見が得られる本でもある。未訳の本はやっぱり原書が必要か…
『シルマリルの物語』を読んでいてしんどいのは詳細な地図がない点である。(Beleriandの地図は『シルマリルの物語』に添付されているが。) あと入手可能な地図は第3紀末期のMiddle-Earth西部の地図(指輪物語に添付)位の物で、何度か地形変動するそれぞれの地名が追えないところがなかなかつらい。そういう点で、この本は非常に役立つ本であろう。Silmarillionの最初の約1/3をしめる太陽と月が創造される前の「2本の木の時代」「星々の時代」の地図を参照できる点において非常に有益。内容を見た限り引用はしっかりしているので、疑問があれば原書に当たればよいこととなる。『シルマリルの物語』はやっぱり意味不明な点も多いので原書が必要なのであろうか…