2006年06月24日 土曜日

夕張市、財政再建団体に

毎度ワールドカップ開催月は何かあるのであるが、今回はこれか。
夕張市の財政再建団体転落は僕が夕張に住んでいた頃から見えていた話なので、今更感が強いのだが、決断は10年以上遅いように感ずる。もっと負債額が小さく、住民が多いときにやってさえいればここまでごたごたなことにはならなかったであろうと思うのであるが、僕にとってもあまりよろしくない時にやってくれるねえというころで、マーフィーさんはやはり健在である。
ただ昨年度の市の財政状況が黒字であるところからすると帳簿上いろいろな技巧を使っているようだが、どう考えてもおかしいと思う人がなぜ出てこないのだろう。監査って言う者の存在を疑ってしまう。まあ、そもそも公務員さんはバランスシートの書き方も読み方も知らない訳ですが… 多かれ少なかれ今の地方公共団体は似たようなことをやっているから、全部の自治体の累計隠し負債がどのくらいあるのかを考えるとなかなか怖い。
夕張にいて聞く一般的な意見として、たとえば第三セクターへの無駄な投資が原因ではないかと言う表層的な話をする人は多いのだが、実際の所はなかなか目に付きにくくもっと些細な物の積み重ねで20年も経てば膨大な負債になる物がある。たとえば世帯数に対し過剰に存在し、比較的稼働率が高い市営住宅の維持費とかいったものはどうなのだろうか。1年での費用負荷はそうでもなくても10年経てば結構な金額になる。他にも実際の所維持費だの人件費などは何年経っても全然減らない訳で、食っていくために借金が増えると言う構造が、最終的には計り知れないほど大きな物になるような気はしている。その点についてどうだったのか検証をして欲しいところである。
ただ僕自身も第三セクターのあり方については問題があると考えていて、収益の取れないものはやはりやめる決断が必要であったと思うのである。その辺の見切りをどうしていたのか? 公務員的なザル勘定でやっていたのではないかと勘ぐってしまうのである。この辺は基盤産業が失われてしまった様な地域をどうするかと言う問題と関係するのであるが、拡大を見込める地盤を築けるたとえば工場などを誘致できない場合は、住民全体としても過日の繁栄を取り戻す方向ではなく、ソフトランディングで自然に戻っていくしかない訳で、産炭地の振興ではなく、如何に自然に戻っていくかという方向を考えるべきだったのだろう。いずれにせよ現在の状況にいたってしまったあとでは、そうならざる得ないと思うのである。「国破れて山河あり。城春にして草木深し。」なのである。
まぁ現在の市長に期待するのは、才能が全くない駄目な人材と思っていた前市長とは違って、市臨時職員の大胆なリストラ、市長をはじめ市議会議員をはじめ、なんらかの役職(まぁ課長以上は必須だろうね)がある市職員の退職金の大幅なカットおよび賞与の全額カット。さらに半数以上はいるであろう夕張に住んでいない市職員の夕張市への強制的な移住くらいは要求しておきたいところですな。一般企業で言えば倒産に相当しますし、生ぬるく生きては行けません。責任ある者のうち今の市政に不要な人材は当然職は失って貰わないと、納得は行きませんな。
まぁ市政担当者の責任をいくらでもあげつらうことはできるのだが、市民税が上がったり、水道料金(たしか現在も全国一高いのだが)が更に上がったりという痛みは、今まで選挙でそういう選択をしてきた市民のみなさんで味わって、選挙という物がどういう物かと言うことを身をもって知っていただく必要はある訳で、これは対岸の火事ではなく自分も考えなければならないことなのでもあると思う。まあ一傍観者の観相としては、このごたごたを見てしばし楽しまねばやっていられないと思う今日この頃なのである。
負債は600億ほどらしい。今年のうちの会社の投資額の何分の一か・・・ と考えてしまった訳だが、動かしている経済規模は遙かな大きい。そういう点では製造業を誘致できると自治体としては優遇策を講じてもホクホクだなと思ったのである。