2004年07月04日 日曜日

無事帰宅

なんだか慌ただしい週末だったけども、何とか帰還。次回北海道に帰省するのはどうも正月近傍になる予定。まぁそれまでみなさん元気にがんばりましょうと言うことですな。飛行場で撮った写真より…
大空への憧れ

サイモン・ラトル / マーラー 交響曲第7番 「夜の歌」

3月27日の記事で、サイモン・ラトルのベルリンフィルの音楽監督就任記念コンサートに感動して買ったグスタフ・マーラーの交響曲第5番の話を書いたが、ラトルのマーラーの演奏では何人かに_交響曲第7番を聴け_と言われていたのでいつ買おうかなと思っていたわけであるが、今日たまたま帰り道に入ったHMVで輸入盤が売られていたので思わず購入。ここに来て「夜の歌」をまたしても購入するとは思わなかった… うちのライブラリではバーンスタイン版、ブーレーズ版に続いて3枚目。
マーラーの交響曲をいろいろ聴きまくってきて、僕の中では最初は第5番が好きだったけども、気がついたら何とも未来に強く向いていると思う第7番が最も気に入っている。長大で支離滅裂かと思われる第1楽章と言い、穏やかな2つの夜曲と言い、何故か妙に明るくてアンバランスな最終楽章といい、マーラーの交響曲を何度も繰り返し聴くならこれかもしれないと、何ともスルメのような楽しみ方をしているのである。無論、後世に残す曲を選べという条件で問われれば、おそらく第9番か、「大地の歌」か、未完の「第10番」で悩むであろうが…
内容はまだ聴いていないのでなんともであるが、楽しみな一枚である。

サイモン・ラトル / マーラー 交響曲第10番 (D.クックによる補筆第2版による)

輸入盤ということでラトル演奏をもう1枚ということで、ベルリンフィルとの演奏でグスタフ・マーラーの交響曲第10番を。この曲は広く知れ渡っているようにグスタフ・マーラーが残した未完の交響曲でいろいろといわくのある曲である。デリック・クックにより演奏可能なバージョンの初演は1960年のマーラー生誕記念100周年であるが、こうして普通に録音を見かけるようになったのはほんのごく最近であると思う。(インバル版が結構前からメジャーかな。) マーラー自身は墓の下でどう思っているか分からないが、こうして一ファンとして聴くことができるというのは、クックの仕事の内容はどうあれ素晴らしい物だ。
曲の内容は精緻で非常に無機的、生者がたどり着けないような境地に行き着いてしまった壮絶きわまりない曲で、生者にはやはりこの曲を完成させ得ることはできなかったのかもと思うけども、僕は未完成であってもマーラーが残した最高の傑作だと思う。このあとの西洋音楽でこの曲以上に注目するに値する物はあるだろうか?
第1楽章しかないバーンスタインの演奏では1回聴いたらお腹いっぱいという感じなのだが、ラトルの演奏は全曲聴き通しても非常に聴きやすいと思う。しばらくこの曲はラトル版をベストとしておいてOKであると思う。クールにまとまっていて、鋭利な中にも穏やかさが同居しているように思われる。(この演奏だったら何度でも聴けそうな気はする。ただ7番にしてもこの曲にしてもマーラーの曲の中では最初に聴く曲ではないと思う。少なくとも第1番「巨人」、第2番「復活」、第5番、第6番「悲劇的」、第9番を聴いたあとに聴くべきかな…(第7番は第9番の前に聴くのがちょうど良いと思うけども。)