2005年03月04日 金曜日

朝起きて目を疑う。3月に入って梅も咲いて、もう春よのうと思ったら、今日は雪だった。積雪量は数cmってところですか。今日は外の歩きが多いところに出勤して、そのあと八重洲方面に外出だったので、うーむ困ったなあという状況だったのだけども、昼過ぎには行きもほとんどなくなっちゃいました。

ゲルギエフ / チャイコフスキー 交響曲第5番

先月チャイコフスキーの交響曲第4番の演奏を聴きに行って、そういえば5番ってどんな曲だっけという疑問がふつふつと湧き上がっていたのだが、さすがに我慢できなくなったので、帰り道にCDを買って帰ることにした。チャイコフスキーの後期交響曲といえばカラヤンかなあと思ったのであるが、いまさらカラヤンっていうのもなあとか、新しいデジタル録音のものがええかなとか、昔の人ではなく今の演奏家の録音を積極的に聴こうという風に思って、最近切れた演奏のCDで僕の気を引いているゲルギエフのCDを購入してみた。このCDは98年ザルツブルグ音楽祭のライブ録音。
リンク先のAmazonのエディターレビューでも書かれているように、ウィーンフィルをして、限界まで音を出させるのかという勢いを感じる録音で、こういうタイプの録音を買ったのはひょっとしたらアバド/LSOのボレロ以来かもしれない。

サイモン・ラトル / オルフ 「カルミナ・ブラーナ」

昨年末の「ジルベスタ・コンサート」の録音。大晦日に録音されて1月中旬には発売されていたというデジタル時代を感じずにはいられない録音である。
カルミナ・ブラーナは個人的には好きな曲で、このCDで3枚目。最初に買ったのはレヴァイン/CSOのもので、合唱曲にはまりだしたころに後押ししてくれたCDだった。熱気と迫力がある演奏で僕の中ではここが基本となっている。次に買ったのは、世間的にスタンダードなヨッヘム/ベルリン・ドイツ・オペラオーケストラの録音。さすが世間的なスタンダードだけあって素晴らしい演奏なんだけども、いかんせん録音が古い。(ヨッヘムは僕の中ではバッハの「マタイ受難曲」とか「ヨハネ受難曲」とかがお気に入りなんだな。)ということで、長らくこの2枚を聴き比べてきましたが…
先月CDを眺めていると、ラトル/BPOの録音が出ているじゃないですか! 最近すっかり乗せられている節があるが、ラトルのファンになってしまったようなので、これは買わにゃならんということで、購入。早速聴いてみたのだが、ラトルが演奏するとこの曲はやっぱり20世紀の音楽なのかと思ってしまった。とにかくこの録音での聴き所は躍動感あふれるリズムなのである。1 曲目の"O Fortuna"での後半、曲がスピードアップするのだが、かなり大胆にスピードアップする。全体的にメリハリの利いた解釈という印象で、ダイナミクスを強く感じる演奏となっている。あとダイナミックレンジが広めに取ってあるのも、リズムの効果をより出しているのではないかと思われる。この曲の録音は演奏(というか合唱)の質が許す限り新しい録音を聴くべきであって、そういう意味ではこのラトルの録音は実にお勧めである。
ちなみにこの曲に初めて出会ったのは、中学生のころに狂ったように見た映画「Excalibur」で、アーサー王と円卓の騎士が、最後の出陣をするシーンに印象的に使われてました。この曲とワーグナーの「ジークフリート葬送行進曲」と舞台神聖祝典劇「パルジファル」の序曲はこの映画で知った曲(曲名を知ったのはえらい後だが)で、忘れもしない子供のころの記憶にある曲なのだ。

サイモン・ラトル / メシアン 「彼方の閃光」

ラトルが続くが、マーラーの8番を買うかどうか悩んで、こっちを今月は購入。マーラーは来月にしよう。あまりフランスの作曲家の音楽を聴かないのだけど、メシアンはほぼ唯一曲を聴いている作曲家なので、購入してみた。作曲は1991年で、メシアンの死後に初演された非常に最近の曲である。多分我が家のクラシックCDの中ではもっとも作曲年代が最近であろうと思う。(そりゃそうだ。まだ15年たってないんだもの。) メシアンの棚はたまにチェックしているのだけど、この曲のCDを見たのは初めて。(というか、現代音楽の棚が大きくおいてあるクラシック売り場はなかなかないのだけど。)
メシアンの曲は何曲かしか聴いたことがないのだけど、この作品は最晩年の曲ながら、「トゥランガリーラ交響曲」が聴ければ違和感なく聴ける曲かなと思う。「閃光」って言うのは復活したものたちの光となるキリストのことらしいのだが、さすがにキリスト教価値観は僕には理解不能なので、黙示録的部分はおいておくにして、鳥の声、星の輝き、愛の歌は十分すぎるほど堪能できるのではないかと思う。あまりタイトルにこだわって聴かなくても、目をつぶって音の響きを楽しむという方向でもいいと思う。
それにしてもラトルが振るとこの曲もすでに古典なのか… そう思わせるだけに十分な手ごたえを感じる演奏で、BPOを完全に使いこなした素晴らしい演奏だと思う。
それにしても最初の悩み方が両極端だなあ。マーラーの8番はロマン派の総決算とも言うべき曲だと思うし、この曲は20世紀音楽の総決算と言い切ってよさそうな曲で、それを天秤に考えるわけだから。(マーラーの8番はたいていの場合1度聴いて万歳という感じでなかなか2回以上聴く事ないしなあ。凄く聴くほうもエネルギーが必要だし。)