2003年04月03日 木曜日

EOS 10DのAF性能

最近ちまたでEOS 10DのAF性能に関して疑問を呈している声があるので、我が家のEOS 10Dで試してみようと言うことで、昨日実験をしてみました。AFに非常に有利なようにコントラストのあるモノトーンな画像と言うことで、昔学生時代に愛読していた論文を壁に貼って撮影をしてみました。
カメラは三脚にセットして、真ん中のセンサでAFを行う。ケーブルレリーズを探すのがめんどくさかったので、ミラーアップ+セルフタイマーで撮影。AFセンサはAFセンサの枠の外側まで感度を持っているものなので、被写体を像面(CCD面)に平行になるように配置した。これは何に対してAFをしているのか、わかりやすくするためである。ミラーアップ+セルフタイマーと言う条件は、低速シャッターの時にミラーが動くときの衝撃でぶれるミラーショックを考慮したくないのと、レリーズぶれを考慮したくないためです。三脚に載せていることで当然手ぶれは考慮しなくてよい。
今回評価に使ったレンズは、最近の常用レンズであるEF 50mm F1.4である。狭い部屋ではこのくらいのレンズでないと、AFのテストができない。
被写界深度(Depth of Field, 物体側でピントが合っているように見える範囲)データとつきあわせやすいように撮影距離を選んでやる必要があるが、50mmの評価は50cm、85mmの評価では1mとしました。これらのレンズの最短撮影距離付近になるように設置し評価しました。この絵を見て、50mmで撮影距離 0.5mならば、被写界深度はベストフォーカス位置から、絞り開放なら±1mm以下、F5.6で±2mmです。)F5.6の深度データとつきあわせるとAF精度はいずれのレンズでも、おおよそ1mm程度の精度と考えられます。従って今回の評価では、このレンズと10Dの組み合わせではAFの精度の問題はなさそうです。

レンズのテスト

しかし50mm F1.4 開放で撮影した写真を見ると一様にボケています。このボケはなんだろうと思案していたのですが、何回やってもこれ以上画質が改善しないのと、一様にボケていることと、画面全体でコントラストが低い絵になっている。ただし絞れば改善する(凄く鮮鋭な画像になる)ことから、球面収差のようです。今までいまいちピントが来てない写真を見て、手ぶれとかカメラの保持とか言った問題かなと思っていたのですが、どうもそれだけではないようです。
まぁこういうレンズですが、絞り開放で撮影しても満足行く写真が撮れるものなのであまり悲観してません。(AF問題はほぼ問題なしという判断できたので。)以下の画像は画像の中心部の20%をトリミングしたものです。それにしてもこういう評価が手軽にできるようになったなぁ。写真としてはつまらないので撮っていて楽しい被写体だけを撮りたいのだが、暇つぶしには良いかな。
EF 50mm F1.4 F1.4で撮影
EOS 10D / EF 50mm F1.4 USM / 絞り優先AE(Av 1.4 Tv 1/90 ±0EV) / ISO 100 / WB 蛍光灯 / One Shot AF / JPEG Fine
EF 50mm F1.4 F5.6で撮影
EOS 10D / EF 50mm F1.4 USM / 絞り優先AE(Av 5.6 Tv 1/6 ±0EV) / ISO 100 / WB 蛍光灯 / One Shot AF / JPEG Fine