2006年07月01日 土曜日

J.R.R トールキン / 「終わらざりし物語(下)

2004年1月31日の日記によると、「翌月購入予定」となっていた本であるが、すっかり忘れてしまっていて、気が付けば2年以上たってしまっていた。最近本は買う一方で積み上げる状態になっているのだが、先日テレビでやっていた指輪の映画を見たら、またつらつらシルマリルを読み始めてしまって、気になりはじめたので購入。
下巻のトピックスとしては、イシルドゥアの死についての言い伝え、ゴンドールとローハンの関係、エレボールへの遠征、ホビットの冒険のガンダルフ的な視点に基づく裏話、セオデン王の息子のセオドレドが戦死したアイゼンの浅瀬の合戦、イスタリの起源、パランティアの石に関する記述などで、上巻は_「シルマリルの物語」を暗記する勢いで読んでないとちっとも楽しめない_が、下巻は上巻とは違い指輪物語しか読んでいない人でも割と楽しめる内容になっていると思う。指輪物語の追補篇を読んだあとであれば十分楽しめるだろう。
残された本はまだまだ膨大で、the History of Middle-Earthという壮大な遺稿集があるのであるが、英語の壁が高すぎて手を出すべきか否か悩ましい。でも僕もいつか手を出すことになりそう。

2006 アートフォーラム四日市

大谷芳照さんのPeanutsを題材にしたアートはかれこれ5年くらい前から気にはなっていたのであるが、なかなか見に行く機会が無くてようやく機会が巡ってきた。最近好きなイラストというと非常にシンプルなものにたどり着いていて、展覧会を見るのもDick BrunaさんのMiffyだったり、Charles M. SchulzさんのSnoopyだったりする訳だ。大谷さんは三重県出身と言うこともあって、今回の開催のようだ。今日は実際に大谷さんから話を聞くことができたので、土曜日に出かけて良かったと思う。アートとしてはおもしろい試みだと思うので、今後も期待しているし、もっと他の作品も見てみたいと思う。昨年、東京国際フォーラムにある相田みつを美術館でPEANUTS found in Translationという企画展をやっていたのだが、見に行けた場所なのに見逃したのが口惜しい。あとCharles M. Schulz Museumに行ってみたくなった。

サイモン・シン / 「ビックバン宇宙論

宇宙論に関する本を購入するのは、大学入試センター試験か私大の入試の宿泊先で暇つぶしのために購入した「ホーキング、宇宙を語る」以来なのだが、ホーキングの様な優れた理論物理学者による物の見方ではなく、優れたサイエンスライターによる堅調な本と言うべきか。宇宙論・素粒子論に関する専門書ではない一般書によく見られる傾向は、数式無くして絶対に理解できないことを適当な文章で説明を試みることに失敗している本が多く、とかく一般の人に薦められる本が皆無。ぱらぱら目を通した所では、この本には宇宙論マニア・素粒子論マニアの求める突拍子の無さが何もないが、反面確実なまとまりがあって安心して読める。
上巻の第1章の約100ページまでしか読めていないのだが、有史以前から19世紀までの宇宙に対する物の見方について一通りのまとめになっており、各章の末尾にはまとめのノートが付いており、その章で述べたことが順序立ててまとめられている。原書で読めば英語のお勉強には好適かも知れない。
訳者はDELPHICAさんこと青木 薫さん。ここ最近購入している科学系の読み物は高確率で青木さんが翻訳をされている本を購入している。とかく読みやすいと言うことと、次に何を翻訳されるのだろうかと言うあたりが非常に楽しみなのである。