HDRで遊んでみる

たまに風景写真を撮りに出かける際に、HDR(HDRI, High Dynamic Range Imaging)で遊ぶかもしれないと思って、ほぼ必ず1カットは±1EVのAEBで撮影をしている。(気がついたときしかやっていないのだが。) 以前PhotoshopCS3(CS2/CS4でもできるが)で試してみたことがあるのだが、どうも今ひとつぴんとこなかった。おそらく合成後のTone Mappingをどうすればいいのか(Photoshopみたいにトーンカーブだけで良いんだっけ?)と言うあたりが引っかかっていた。今回ちょっと方向を変えて遊び始めた。

今回の記事からHDR合成処理はPhotomatrix Pro 3.2を用いることとした。バージョン3.0系列の日本語版はあるのだが、うちのEOS 5D MarkIIのRawデータには対応していないのと、別に日本語版である必要も全くないので、英語版を導入した。Photomatrix Pro 64bit版とPhotoshop CS4 64bit版用のTone Mapping Pluginのライセンスを購入。使い方の記事はデジタルカメラマガジンの2010年2月号を参照しつつ、Webを参照しつつという状況ではあるが、がつっとHDRくさい処理ではなくコクのある色合いだけを目指したいと思う。
oosanbashi\_normal.jpg
EOS 5D MarkII / EF 24mm F1.4LII / 絞り優先AE F8.0 +0.7EV (シャッター速度 1/160 sec) / ISO100 / WB Cloudy
AEBの基準露出の写真。オリジナルからは若干いじったがおおむねこんな感じである。この後に±1EVばらした写真を撮っておいて、3枚とも同じ現像条件で現像してHDR合成してみたのが、次の写真である。
oosanbashi\_hdr.jpg
EOS 5D MarkII / EF 24mm F1.4L IS / 絞り優先AE F8.0 / ISO100 / WB Cloudy / +0.7EVを基準に±1EV AEB, Photomatrix Pro 3.2にてHDR合成
この写真の合成だとオリジナルとあまり変化してないかもしれない。だいぶん夕焼け色に色をいじくりすぎてしまったが、合成してしまった後の基準をどうしたらいいのかよくわかっていないだけの気はする。ただ一発撮りだとやっぱりこういう色にはならないと思う。ここまでいじってなかなかおもしろくなってきたので、Photomatrixのライセンスを購入してみたわけだ。(正確にはここまでの処理を再度やり直した後、レタッチもしたのが上の写真である。)
kaikou\_kinenkan.jpg
EOS-1Ds MarkII / EF 24-105mm F4L IS / 絞り優先AE F8.0 / ISO100 / WB Daylight / ±0.0EVを基準に±0.7EV AEB, Photomatrix Pro 3.2にてHDR合成
人などの動くものがある場合の合成はパノラマも同じで矛盾が出るので難しい。なるべく人影がない状態を待って写真を撮るしかないかもしれないが、こういう観光スポットではなかなか難しい。
またAEBではなく1枚の写真からRaw現像でソフト的に露出を振って擬似的にHDR画像を作ることもできる。(綺麗にやろうとしたらばらして露出すべきだろうが、動きものはこっちの手法の方がよいと思われる。) たとえば下のような写真をいじってみる。
shinjuku\_orig.jpg
EOS 5D MarkII / TS-E 45mm F2.8 / 絞り優先AE F2.8 ±0EV (シャッター速度 1/6秒) / ISO800 / WB Daylight
shinjuku\_natural.jpg
こちらは一番上の写真とほぼ同じパラメータでTone Mappingしてみたもの。割と違和感なさそうな感じ???
shinjuku\_type2.jpg
こちらは添付のレシピで一番どぎつく変わるレシピを適用したもの。パラメータの振り方でここまで変化するとはおもしろいものだと思いつつも、絵をいじっている間にだんだんどの方向を目指すのかわからなくなってしまうことも多々ありそうなので、処理をやり過ぎないように注意していきたい。