2002年03月27日 水曜日

おかしいぞ

最近某放送局の「サイエンス・アイ」や「宇宙」やS.ホーキングの「ホーキング未来を語る」を見たり、読んだりしてふと思ったのだが、「真空のエネルギー」ってなんじゃ?と思って聞いていたら、場の零点エネルギーという理解で良いのであろうか?
現状の観測データを説明できないからと言って、真空のエネルギーを新しい力の源とするのは、ある路線で物理を勉強してきた人間の感覚から言うと、「非常に気持ち悪い」と思う。真空のエネルギーは全体の系の大きさに比例して大きくなると言う説明であるが、エネルギー保存測はどうなるのであろうか? なんかおおざっぱに考えてもかなり怪しい。この場合宇宙論を研究している研究者は、「エネルギー保存測はある局所的な系で近似的に成立する法則だ」も言うのだろうか。
零点エネルギーって場の量子論を勉強したときに出てくる(調和振動子の量子力学でも出てくるが)概念だったと思うけども、なんだか入り口で習うような概念が最後に出てくるとはおもしろいと思うのだけど、ちと無理ありすぎだと思うのね。(僕はこの手の理論は分からないから無責任な批判モードであるのは否定しない。) 僕は宇宙論もおもしろいと思うけど、本当におもしろい物理現象は掌の上に乗るようなスケールの現象が実際のところおもしろくて、それでいて未踏破な領域がいっぱいあると思うのね。そういう意味では原子核以下のスケールでしか見えてこない世界や、重力だけが支配的な宇宙論よりも、物性物理の方がおもしろいと思うのだが、人気は出ないやね。