デスクトップ環境の見直し

最近の1年半ほどはBlogやメールを書く環境はサブに使っているノートPCで、ゲームやWeb閲覧や写真の閲覧などはPCをHDMIで液晶テレビに接続した環境で行う。写真編集などをするときはその時のみ液晶モニターをつないで行うという環境であった。
GWに突入して以来、どうも頭痛がひどくておかしいと思っていたら、床に座ってPCを操作しているとテレビの設置位置が高すぎるようで、どうも肩や首に負担をかけていたようである。そこで・・・

透明な絵の具

レンズというものは、透明な絵の具だと思うのだが、EFではない色を手にしてしまった。はたして何か得る物があるだろうか? 先日もったいぶって書いた「これはなんだ・・・?」という記事であるが、続きを書くといって早1ヶ月。レンズ購入してもはや2ヶ月くらい経っているのよねということで、ぼちぼち記事を起こすことに・・・
bag.jpg
この中はこういう風になっていた・・・

cz1.jpg
あの袋のふくらみをみてレンズが1本なはずはないのであるが・・・ どっちか買うつもりで出かけたのであるが、優柔不断な僕には選びきれんかった。50mmの方は気合い入れて購入するようなタイプのレンズでもないので、購入にあまり迷いはなかった物の85mmは実に悩んだ・・・ とはいえ、ざっくり2本といっても、Canonの85mm F1.2よりは安いのよね。
cz2.jpg
50mmの方の箱の中身はこんな感じ。
cz3.jpg
レンズの外観(フードをつけていない状態)はこんな感じで造形的にはなかなか美しく質感も良い。手に取ってみるとこの大きさでなかなかずしりとした重量感がある。とはいえ・・・ フィルタ取り付け部分がシルバーというところがなかなか頭が痛い。50mmは割とガラス越しで撮影する場合があり得るのだが、これでは写り込んでしまうではないか・・・ カメラやレンズが黒くあるべきなのは意味があるのである。まあそういう撮影はステップアップリングとかで隠すことにするか・・・
cz4.jpg
85mmの方の箱の中身はこんな感じ。
cz5.jpg
85mmは勢いだけで購入した人はあまりいないと思うのだが、このレンズもまた造形的に美しいレンズである。重量感はかなりあって、Canonの85mm F1.2より小柄ながら、かなりずしりとした重みを感ずる。
どちらのレンズのフードも金属製で鏡筒の太さよりも若干太い程度。キヤノンのレンズのフード太いのだが、これはPLフィルタ操作のせいなのか。フード周りで気になるのはフードを取り付けるときの回す向きがキヤノンのレンズの逆というところか。使い始めて2ヶ月経つが、未だに混乱する。まあクリティカルではないので問題なし。(ピントリングの回転の向きとかはあまり気にはならない撮影しかしていない。)
ざっくりとした使用感であるが、50mmの方はそれと言った難しさは感じていない。フォーカスエイドを使っても普通にファインダー覗いてピントあわせてもおおむね思った通りのフォーカスコントロールができていると思う。問題は85mmでどうあわせてもピントが合っている気がしない。開放付近のピントが薄いことはあると思うが、このレンズは想像以上にくせ者かもしれない。あとどちらのレンズも開放付近でハロはでる。これはContax版の頃と変化していないと思う。(光学系起因だと思うので。) でないと書いている人が結構いるが、ちゃんと輝度差のある物を撮ればわかると思うのだが。
あとEFとの比較は・・・ まあ方向性が違うので、書いても仕方ないだろう。僕自身もどうせ同じ焦点距離のレンズを持って行って撮影することはなかなかないので。一応以下に同じ被写体で撮影した絞り開放の物を示しておく。残念ながら三脚を持って行って撮影したわけではないので背景まであわせきれなかったことをあらかじめ断っておく。背景や全景のぼけはおおむねこんな感じという理解をしてほしい。個人的には、Planarを導入してEF 85mm F1.2LやEF 50mm F1.2Lを見直したところもあってレンズの使いこなしに幅が出そうとは思っている。あと単純に同じレンズを持って行っての比較でPlanarの方がEFより1/3絞り分オーバーに写っているように見える。PIEでZeissの担当者にきいてみたが、「そういうもんです」というあっさりとした回答だったことと、絞りによってこの差は変化しなさそうなので、Planarを使う時はいつもより1/3引くことにする。(ただしこれは検証がいるかもしれない。間違っていなさそうではある物の、センターの測光点におけるスポット測光の値で再度考察しておく必要はあると考えている。)
EF_50_F1.4.jpg
EOS-1Ds MarkII / EF 50mm F1.4 / 絞り優先AE F1.4 +2/3EV (シャッター速度 1/2000 sec 現像時にさらに+1/3補正) / ISO100 / WB: Daylight
Planar_50_F1.4.jpg
EOS-1Ds MarkII / Planar T* 1.4/50 ZE / 絞り優先AE F1.4 +2/3EV (シャッター速度 1/2000 sec) / ISO100 / WB: Daylight
EF85_F1.2.jpg
EOS-1Ds MarkII / EF 85mm F1.2L / 絞り優先AE F1.4 +2/3EV (シャッター速度 1/3200 sec 現像時にさらに+1/3補正) / ISO100 / WB: Daylight
Planar_85_F1.4.jpg
EOS-1Ds MarkII / Planar T* 1.4/85 ZE / 絞り優先AE F1.4 +2/3EV (シャッター速度 1/2500 sec) / ISO100 / WB: Daylight
補足1: EF 50mm F1.4は先日知人に譲ってしまったので、50mmに関してはもうこういう比較はできない。(EF 50mm F1.2Lとかであればできるけど。)
補足2: ほかの作例はこのエントリの前の2009年の桜の写真の記事を参照のこと。(撮影データを表示しておく。コメントアウトしてあっただけだが。)

サクラサク

「サクラサク」といえば、いにしえの大学合格通知の電報文ですが、今時はこんな電報は来ない。まあ僕の大学入学の頃もこなかったので、いつの時代なのだろうと思うのだが、春の吉報に桜をかけるというあたりに情緒を感じる今日この頃。ここ数日一気に暖かくなり、今年の桜が咲いたので、自宅から徒歩圏でいける大岡川の桜並木まで出かけてきた。昨年の秋撮影分と先月頭に撮影したポートレートの写真をまとめているうちに・・・ 桜が咲いちゃいました。ということで、まず桜の写真から。
sakura2009_01.jpg
EOS-1Ds MarkII / Planar T* 1.4/50mm ZE + Extension Tube EF12 / 絞り優先AE F1.4 +1/3EV (シャッター速度 1/800 sec) / ISO100 / WB: Daylight

PIE2009

今年は関東圏に住んでいるので、写真関係の展示会であるPhoto Imaging Expo 2009に出かけることにしていた。たまたま先月から金曜日がお休みなので、この手の人出のあるイベントはビジネスデーに行くに限ると言うことで、金曜日に行ってみたのだが・・・ 十分人が多い。
PIE2009_1.jpg
EOS-1Ds MarkII / EF 70-200mm F4L IS / 絞り優先AE F4 +2/3EV (シャッター速度 1/200 sec) / ISO400 / WB: 現像時に修正
キヤノンブースに派手に置いてあったメリーゴーランドにて。こういう撮影はやはり望遠ズームに限るというか、明るさ的に明らかにF2.8がほしいと思うところだが、F4ズームも悪くはない。

VAIO Type P到着

年を越して気がついたら、VAIO Type Pが発表された。元VAIO C1ユーザーとしては、願ってもいないモバイルノートということで、Type Tで固まっていた新サブノート購入検討は、一気に決心が傾き、Type P購入に動くこととなった。

最近のノートPCは割とカスタマイズできるのであるが、今回もう一つ至上命題としてあった「キーボードの配列をUS配列に統一」も考慮する必要があるので、店頭販売モデルではなくカスタマイズモデルの発注となる。おおむねこんなスペックにしてみた。

サブのノートPC検討

現在使っているサブのノートパソコンはPanasonic Lets Note R3で、思い起こせば2004年7月17日に購入したものである。気がつけば今は2009年。すでに丸4年を経過。よく働いてくれたのである。

僕自身はたばこを吸わないので特に汚れることはないのだが、さすがに何年も使っているとそこそこ汚れるので、キーボードのお掃除などはこれまで行ってきた。出張やら旅行やらOSS/LLのイベントには欠かさず持って行っていたので、さすがに使用感は結構あるものの4年半使ったにしては結構きれいな状態である。最初の数年をフリーで使えるウィルススキャナでしのいだのはいいが、ほぼ毎日ウィルススキャンをディスク全体に対して行うという何ともいえない設定になっていたので、ここ最近HDDから微妙な異音がきこえたり、さすがにやばいだろうなあとは思っていた。HDDの交換をしてさらに延命を考えたのだが、HDDの仕様が特殊だったり、分解するには内部の実装密度がかなり高く、なんだか戻せなかったときが痛すぎるので、新サブPCの選定を行うことになったのが、おおよそ転勤が決まる前の9月くらいである。
転勤が決まった際に会社PCを2.5kg程度ある普通のノートパソコンから、1.4kg台のモバイルなPCに変更してもらったので、出張で出歩くときは会社のPC持参ということで、これまでのサブPCの選定基準である軽いことという大前提は外して良さそうな状況となった。実際のところこれまでのサブのノートPCは性能重視ではなくほぼ大きさと重さで選んでいる。1台目はほぼ社会人になりたての頃に購入したLetsNoteのほぼ第1世代AL-N1T515J5で確か2000年あたりまで使っていた記憶がある。その後少々飛びがあるが、2002年に購入した2台目はSony VAIO Note C1 VR/BP、3台目が2004年購入のLetsNote R3である。すべてB5サイズもしくはそれ以下のもので、重さはそれぞれ1.4kg、980g、990gというあたりである。これまでの流れでこれ以上小さくも軽くもならないとずっとあきらめていたのと、やはり性能に対してやたら高価なものになりがちなところも悩みの種であった。
今回は予算を20万円程度として、今回の選択肢としてはSony VAIO Type TSony VAIO Type ZApple MacBookあたりを考えていた。(重さを外したので、MacBookを選択肢に入れる。) ほかはいまいちだなあという判断。まあモバイル奈路線はこれまでの使い勝手から考えても諦めきれないので、おおむねType Tでよかろうという判断を11月にしていたのだが、いろいろと忙しくしている間に年末に突入・・・ そこで大きな変化が訪れる・・・ (つづく)

デジタルなパース補正を考える

最近シフトレンズを導入したので、いろいろ考える所はあるのだが、デジタルになってからはたとえばPhotoshopのようなレタッチツールでいろいろな補正ができるようになってきていることもあり、ティルト・シフトレンズのような特殊用途レンズは効果だし必要ないと思っている人は多いと思うのだが、ニコンにしてもキヤノンにしてもこの時期にリプレースしてきている理由は、簡単にそういうわけではないと言うことだろう。

ティルトで実現でいるパンフォーカスな表現はどんなに頑張ってもフォーマットサイズの小さなカメラで広角レンズにて絞り込まない限り実現できないと思う。最近流行っているが逆ティルトしてミニチュア模型っぽく撮影する技法は、後処理で擬似的に再現できそうな気がするが、できてくる写真はちょっと違う気がする。
で、本題。建物写真を撮影するときはどうしても見上げて撮影することが多いので、上すぼまりの写真になる。たとえばこんな感じ。
original.jpg
EOS-1Ds MarkII / EF 24mm F1.4LII / 絞り優先AE F5.6 ±0EV (シャッター速度 1/25) / ISO: 200 / WB: Daylight (以下撮影条件は同一)
これをPhotoshop CS4のフィルタ→変形→レンズ補正で縦方向のパース補正を行うとどうなるだろうか?
d-shift1.jpg
Photoshop CS4でのこの補正は写真を板に貼り付けて画面の中央を通る水平な軸で上側を手前に回転して、回転前の板に射影したような変形になっている。回転量はグリッドを表示させて垂直線が垂直になるように補正すればOKであるが、きっちりやり過ぎると異様に不自然な写真になるので、ちょっと上すぼまり感を残すのがポイントである。
確かにこの変形でパースは補正されるのであるが、上の写真のように余白ができる。この余白の量は幾何的な物であるからカメラの仰角から計算して出せるはずだが、まあそんな器用な人はいないと思うので、かなり広角に撮影しておきトリミングするわけだが、どの程度余裕を持って撮影しておけばいいかというのはなかなか難しい。この写真の縦横比を変えずにトリミングしてみる。ざっくり上の辺の中心を基準に15%トリミングするとけられがなくなった。こんな感じである。
d-shift2.jpg
パース補正をこんな感じに仕上げたければ、元の写真のように撮影しておかねばならないということである。これが難しいと考えるかどうかは人それぞれであるが、僕には難しい。露出をどう決めるかは置いておいて、シフトで撮影するときは、カメラの水平を取っておいて、横方向の構図を決めて、適当にライズ(上側にシフト)して上下方向の位置を決めれば、狙い通りに撮影できる。またトリミングするにしても自由度は格段に上がる。またこれだとパース補正が厳密すぎて気持ち悪いというのであれば、数度(たぶん1度から2度)カメラを上に向けてシフト撮影すればそこそこ自然な絵になる。(だから大判カメラはフィルム側をティルトできるのだろう。) ちなみにパノラマで複数枚つなぐときも、あらかじめどのように写るか予想できる点で後の処理の自由度は高い。
まあこういう訳でどうすべきかは難しいと思う所ではあるが、少なくともティルトやシフトができるレンズが不要であると言うことは全然無いと思うのである。今の超高画素なデジタルカメラが一般化するに当たって、逆に必要性が生じたと言うことだろうと思う。またティルトやシフトは風景とか建築写真だけに使うと思いがちではあるが、物撮りでもポートレートでも使えるのであれば有用である。ポートレートで全身を撮影するときにもシフトを使うと大分スタイルが補正できて違う写真になるので。(まあこの辺は魚住誠一氏の写真あたりが参考になると思うが・・・)

レンズの整理候補

2月と言えばカメラ・レンズの新製品発表の季節ということで、今年のキヤノンはどう来るかと思っていたのだが、TS-E 17mm F4LTS-E 24mm F3.5LIIが相次いで発表された。良くレンズ仕様見ると、かなり見るべき所がありますね。F8でのMTFが広角が弱いとされてきたキヤノンのレンズの中で異例なほど良すぎること、イメージサークルが58.6mmから67.2mmに変更されていること、シフト動作方向とティルト動作方向が可変であること、最短撮影距離が17mmは25cm、24mmは21cmと超広角~広角レンズでおおむね欲しい所に来ていること。(ちなみに16-35/2.8IIや17-40/4の最短撮影距離は28cm。24/1.4IIの最短撮影距離は25cm。) と言った具合。今後10年以上先までの写真ライフを考えて、魅力がありすぎるレンズなのである。

素粒子論関係の読み物

何かと間違われやすいのだが・・・ 実は僕は物理系の出身。まあ学生の頃は凝縮系物理学と言うべきか、物性物理学というべきか、統計力学と言うべきかがメインフィールドだったので、素粒子とか高エネルギー物理学のような紙と鉛筆だけで考えられる理論分野とか超ビックサイエンスになってしまった実験屋さんで成り立っている分野には疎く、学生の頃は自分で理論を追いかけ実験をというこじんまりとした世界で生きていた。今やっている世界は物理系ではある物のちょっと毛色の違うやっぱり莫大なお金がかかる分野ではあるのだが、興味は工学的なものですね。
昨年は南部陽一郎さん、小林誠さん、益川敏英さんがノーベル物理学賞を受賞と言うことで、にわかに物理系、特に素粒子系の書籍が書店でも目立つので、勉強がてらいろいろ購入。それでなくとも割と復刊ブームであるのだが、僕が学生の頃から見たら羨ましい時代なのである。