2006年01月26日 木曜日

スーパープレシジョンマット Ee-S

EOS 5D/EOS-1D MarkIINには従来のマットと20Dのプレシジョンマットに加えてより拡散度を上げたスーパープレシジョンマット(Ee-S)が追加されている。ファインダースクリーンという物はピントの山の見え具合を大きく左右する物なので、結構前からいろいろ試しているのであるが、プレシジョンマット以来なかなか評判がよいので、ここは新登場のスーパープレシジョンマットを試さない訳にはいかない。そこでスーパープレシジョンマットを入手したので、今手持ちのフォーカシングスクリーンは1V系用が3種(Ec-CIII, Ec-D(方眼), Minolta ML)、5D系用が2種となる。今日の記事はそれぞれを直接比較してみようと言うことである。Minolta MLはこの手の道の人には有名どころであるけど、α-9用のフォーカシングスクリーンである。(もう入手できないらしい。)
ファインダースクリーンのおさらいをしておこう。基本的にファインダー光学系が同じであれば、スクリーンの拡散度が低い(スカスカ)になると、ファインダー像は明るくなり、ボケは小さくなる。言い換えるとファインダー像は明るくなり、どこでもピントが合っているように見える。逆に拡散度が高い場合(曇りガラスのようなイメージ)は、ファインダー像は暗くはなるが、ピントの確認がしやすくなる。(ボケが強調される。) 中級機以下の場合、大部分のユーザーはAFを主に使用し、レンズはF値が大きな暗いレンズ月買われることを前提条件としているところがあり、、ファインダーに求められる物は視認性が良く、構図が確認できればよいと言うことになるかと思われる。ファインダースクリーンが交換できる機種の場合は、大口径の単焦点レンズやマクロレンズをMFでも使いたいという要求があり、ユーザーの用途に合わせたスクリーンをラインナップしているという訳だ。キヤノンの場合はここまでずっと拡散度の高いスクリーンを出してこなかったため、ファインダースクリーンについては散々というのが、もっぱらの通説であろうか。
まえおきはこの辺で実際の比較に移る。適当な印刷物の上にスクリーンを置いてみて、字のボケ具合を確認。ボケが大きさで拡散度を比較すれば直感的であろう。撮影は共通でEOS-1D MarkII+EF 100mm F2.8 Macro、三脚使用、マクロリングライトMR-14EX使用。印刷物は今読んでいるRichard Phillips Feynman: Feynman Lectures on Physics vol.2より。なお画像はブラウザで縮小表示さえるようにしてある。EOS-1D MarkIIの画像をそのままおいてあるので、詳細は各自保存して画像ビュワーなどで詳細を確認していただきたい。
Ec-CIII
まずは1V標準のEc-CIII。1Vでは1Nで使われていたスクリーンより若干拡散度が高いこのマットが使われていた。露出などは以前のマットと変わらないので、露出に現れるほど拡散度が大きくなった訳ではないと言うところか。なおEOS-1nRSとEOS-3で標準のニューレーザーマット(Ec-N)はスカスカで何でもピントが合っているように見えていた不評が生んだスクリーンではあるが、それよりはだいぶんマシではある。今回評価したなかでは最も拡散度が少ない。方眼マットのEc-Dも同程度の傾向。
ML
ファインダーとファインダスクリーンの作りにおいては、AF時代の至高の逸品とも言えるミノルタの名機α9のフォーカシングスクリーン。そのなかでも2番目に拡散度が高いM/ML型。更に拡散度が高いMIIと言うのもあるが、通常の物流じゃなく、ミノルタのサービスカウンタでのみ販売なので、市場で入手できた最も拡散度の高いプラのスクリーンである。
見ての通りかなり字はぼけて見える。このスクリーンはF2.8より明るいレンズじゃないと、ファインダー像はざらついて見えるので、F2.8より暗いレンズを常用する人には勧めない。ピント面が動いて見えるほどではないが、標準のスクリーンよりかなりMFしやすい。100mm Macroの最短付近でもMFは可能である。一応露出は狂うハズなので露出補正が必要なのだが、いろいろと試した結果ではEOS-3/1Dではほとんどいらないと言う感触である。(試す人はそれぞれテストをすること。)
Ee-A
5D標準のプレシジョンマットEe-A。たしか20DとKissDNから標準のマット。10DやKissDのニューレザーマットは、EOS-3並のかなりスカスカなファインダーでなかなか涙ものであったが、このマットはMFができると言うことでかなり好評であるようだ。実際に5Dで使ってみると、5Dのファインダーの視野の広さも手伝ってかなり良い。EOSのファインダーを見直すきっかけになるだろうか。
ぱっと見た感じもEc-CIIIよりはボケ量が大きく、拡散度は高いようだ。MFはやりやすくなっていると思うが、結局はファインダー視野角と倍率も絡むので、EOS 5Dになってその真価が出てきたマットと言えると思う。感覚的には100mmマクロの最短付近のMFが可能となったと言う点が評価できるところ。また明るさは十分に確保されており、F5.6で使用してもおそらく問題は何もないと思われる。
Ee-S
5D/1DN2で追加されたスーパープレシジョンマットEe-S。ざっと見た感じではこれまでのスクリーンよりはボケが大きめで、ミノルタのMスクリーンよりもボケが大きな印象。MIIと同レベルと思われる。このスクリーンは確かに凄い。50mm F1.4をつけて、この作例の文章を斜めから見てみると、ピントがあったところ以外の文字は読めません。ピントの山の移動が気持ち悪いくらいちゃんと見えます。ガラスのスクリーンであるTarlbergのほどの見え方ではないとは思うが、露出補正をしなくてもOKと言うところが最大の魅力であろうかと思われる。ただしF4よりくらいレンズの場合は昼の屋外じゃないとかなり辛い。F4ズームなどを使う場合は、完全にAFを信じて、構図優先で使った方がよいとは思うが、ボケはちゃんと見える。
スクリーンの対決、いかがだろうか? だいぶん主観が入っており定量的な比較ではなく申し訳ないところではあるが、スクリーンの拡散度一つでマットによるMFのやりやすさは結構かわるので、自分の手持ち機材を考慮して選択の糧にしていただきたい。交換できる機種の場合はいろいろ試してみるのも良いでしょう。(って、最近変えられるのって、EOS-1D系とNikon D2系、EOS 5Dだけなのか・・・寂しくなった物だ。)

2006年01月24日 火曜日

P.A.M. ディラック / 一般相対性理論

先日本屋の物理関係の書棚を眺めていたら、こんな本が再刊されていました。この本を最後に見たのはもう10年以上前になりますが、一般相対論を非常にすっきり書いている凄い本とと言うべきか、天才が書くと一般相対論はこのように説明されるのかという得難い本である。特殊相対論については3ページくらいで終了という凄まじさである。たとえばパウリの「相対性理論」のような網羅的な本ではないが、筋道を最短経路で追いかけるにはこういう本の方が読みやすい。パウリの本はパウリが21歳の時に書いたある意味恐ろしい本ではあるが・・・
一般相対論はいろいろな本があってピンキリではあるが、「相対論はウソだった」とかいう似非科学モノの本は出版される価値すらないので燃やしてしまって良いとしても、数式をとにかく省いて書きましたと言う本あたりもあまり読むことをお勧めしない。そもそも優しくはないのだから、ただ量子力学よりは理解できる範疇にはあると思う。一般相対論は特に数式がないと何を言っているのか良くわからないように思う。テンソル解析が苦手でありながら、テンソルを駆使して時空の幾何学を作り上げたアインシュタインの仕事を理解するには、こちらもテンソル解析や非ユークリッド幾何学特にリーマン幾何学を理解しつつ、理解につとめるべきだろう。
僕の記憶が確かなら、確かこの本は東京書籍から出ていたと思う。最近東京図書から出ていた教科書が入手しづらくなっているような気がしていて、この手の本の再刊ってもう東京図書さんではやらないのかな?と思っている。 非常に困った状態である。僕が現役の学生だったころも買っておいて読みたい本が入手できなかったように記憶しているが、最近非常に多いと感じる。教育がないがしろにされているのかなと思うところでもある。
それにしても再刊したのが筑摩文庫と言うところが更に良くわからないところだが、素晴らしい教科書が文庫で読めるのもなかなか乙な物かもしれない。(「オイラーの贈物」も筑摩さんが再刊してます。)
学術書のような分野はビジネスにならないのは理解しているが、古典として読み継がれるべき本というのは科学の世界にもあって、定番の教科書が入手できないの学生じゃなくても非常に困るのである。身近な例では、今良く読んでいる本にはクーラン・ヒルベルト(リンク先は1巻目)を参照とか書いているのだが、この本も東京図書で入手しがたくなっている。専門から離れてしまったが、スタンリーの「相転移と臨界現象」も東京図書だ。(Amazonで見たら12000円とか言う値段が付いてる。あり得ない・・・)
そんなわけで、再刊する気がなければ版権を放棄して、オンラインの受注図書サービスあたりが取り扱ってくれると非常にありがたいのだけど・・・(池袋のジュンク堂とかだったら、そんな本も立ち読みして買えたりしますし。) 読めない本は淘汰されてしまうのであるが、読ませたい本は語り継ぐべきだとこの本を買って、つらつら眺めてそう思った次第である。

2006年01月22日 日曜日

温泉旅行 2日目

朝ゆっくり寝て、温泉に入って・・・と温泉に来たら温泉三昧なのであるが、ぐっすり眠ることができた。なんだか久しぶりの温泉なのであるが、やっぱり朝はゆっくりしたいもの。(朝起きて温泉から会社に行くって言うのは良くあったな。)
今日の予定は雪原で撮影を行って、後は適当に帰ると言う算段になっている。みなさんおつかれさまでした! そんなわけで、一気に写真をアップしておく。(写真自体はずっとおいてあったのだが、記事が追いつかないな・・・)

2006年01月21日 土曜日

温泉旅行 1日目

TOSIさんののさんに温泉旅行に誘われたので、知っていた人は知っている秘密兵器(!)を持参して参加。今回は群馬県の老神温泉へ温泉旅行というのがメイン(?)で、雪に絡めてポートレートも撮ってみようという企画なのでした。
今日は朝から雪が降っていて集合場所の池袋まで行けるかなと思っていたのであるが、時間にはある程度の余裕を見て出かけたので池袋でハンバーガーを食べる程度の時間は確保できた。道はどうかなと思ったのだが、山に行けば行くほど天気は良くなってきたので一安心。(雪が降っている絵が撮れないじゃないかという意見は除く。)

ロックハート城にて…

初日のメインはロックハート城での撮影。ここって津川雅彦がなんかやっていた話のところなのねと言うのは来てみて分かった話なのだけど。古城を移築しただけあって建物の質感はなかなか良いと思う。
とりあえず買ったばかりのEOS 5Dの実力は皆目見当が付かないので今回はいろいろお試し状態なのだが、まず50mmや85mmのレンズをつけてファインダーを覗くと、眼前にはデジタルで失ってしまった画角とボケが広がっていたのである! 試し撮りのマクロ撮影だとさっぱり気が付かなかったが、忘れていた物をすっかり取り戻した印象だ。あとISO800は完全に実用域でうちのメインレンズはほぼF1.4なので、一通り撮りそうなシチュエーションはカバーできそうな感じではある。そんなわけで、初日の写真。

2006年01月19日 木曜日

「コニカミノルタ フォト事業 カメラ事業の終了」について

デジタル時代になって写真業界の勢力図ががらりと変わってきているなと思っていたのであるが、来るべき物の一つが来ましたな。関連するプレスリリースだけ引いておこう。

  • カメラ事業、フォト事業の終了と今後の計画について
  • レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ関連の一部資産譲渡等について(コニカミノルタ)
  • レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ関連の一部資産譲渡等について(Sony)
    αマウントに関しては、協業先のソニーが引き継ぐとのことなのだが、名玉とも思う単焦点レンズAF 50mm F1.4AF 85mm F1.4GSTF 135mm F2.8(T4.5)と200mm Macroの今後はどうなるのであろうか?(調べてみれば、だいぶん新しいはずの200mm F4マクロはカタログ落ちしているのか・・・) Sonyが出してくれるとは全く思えないので、αの美しい単焦点レンズはここでいったん途切れちゃうのだろうか?(α-7と85mm F1.4と135mm STFが投げ売りされていたら買おうかなあ・・・)
    一見このニュースは世界初のAF一眼レフシリーズであるミノルタのαシリーズの終焉ととらえられているようであるが、もっと歴史のある小西六のサクラフィルム(今は全然違う名前だが)も終了するということで、銀塩フィルムメーカはアグファに続いてコニカも無くなり、フィルムはコダックと富士フイルムくらいにとなってしまった。なんとも寂しい世の中である。あと何社かはこの動きに追従するかもしれないと言うことで、2006年は写真史に残る年になるのではないかと思われる。
    次に心配しているのは今日発表のあったサムソンのデジタル一眼レフ(韓国語読めないよう)にレンズ・マウントを供給しているペンタックスかなあ… ペンタックスは光学専門メーカーとして生き残って欲しいんだがなあ。(カメラはともかく少なくとも大口径屈折天体望遠鏡を売っているメーカーはペンタックスくらいなのだから。まぁ買える値段じゃないけども。)